past love story by Lily

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真っ暗な空から 音もなく

大粒の牡丹雪が 見渡すかぎり一面に

地面へと降り注いでくる

さながら 地球侵略に来た

たくさんの侵略者のよう

一定のスピードで 待ったなしで

重力ってやつで降りてくる

しんしんと降り注いでくる世界には

音がない

まるで ひとりぼっちのよう

自分の世界に浸っていると

いつの間にか あなたが雪をはらってくれる

帽子をかぶっていないわたしの頭は

はらわれる度 細かく砕けた雪が

髪の間に隠れて 体温でとけて髪を濡らしていく

もう家に入ろう、と あなたから促されて

名残惜しくも その場所を後にする


また あんな風に 雪が降ってきたら あなた

時を越えて 今のわたしの頭に積もった雪を

はらいにきてくれる?



◇雪を待つ◇

12/15/2023, 12:04:00 PM