『クリスタル』
『お前の瞳は綺麗だな』
そう、幼馴染に言われた
『そうか?』
『あぁ、とっても綺麗だ。まるでクリスタルみたいだ』
『いるか?笑』
『俺には合わないよ笑。お前だから似合うんだ』
その言葉に無性に嬉しくなった。
『そっか…。ありがと』
『…なぁ、お前に言わなきゃいけないことがあるんだ』
『どうした?もしや!…告白か?!』
『あぁ、そうだよ』
『俺からの愛の告白』
『!?』
『俺と、付き合ってください!!』
『……泣』
『!?そんなに嫌だったか!?』
『ううん。嬉しいんだ。私もずっと貴方が好きだったから。』
『うれしい。これからよろしくね』
『こちらこそ、よろしくね』
―数年後―
『君の瞳はいつまで経っても綺麗だ』
『それ、告白前にも言われた笑』
『本当に綺麗だから』
『いつまで経っても私の瞳は君だけしか映してないよ』
『俺だって』
ふふ。
楽しい
貴方は私の瞳をクリスタルみたいだって言うけど、
貴方の瞳だって、クリスタルみたいに綺麗だよ。
希望にあふれたその瞳は、どんなクリスタルよりも
美しい
貴方は/君は、僕の/私の、大切なクリスタル(恋人)
『夏の匂い』
セミがうるさい。
ミンミンと鳴いて、まるで夏が来ますよ、とでも言いたげに。
風鈴の音も、夏を感じる。
暑いから、海に行こう。
ザバーン
涼しい
夏の匂い
また来年もこんな事するのかな…
来年はさらに暑くなりそう
これ以上、暑くなったら本当に溶けてしまう
片手に持ったアイスが溶ける
私は急いでアイスを頬張る
冷たくて美味しい
アイスがこんなにも美味しく感じるのは、夏になったからなのかな?
夏の匂い。1年に一度しか、味わえない。
いつ消えるかわからない暑さ。
これを大切にしていこう…
『カーテン』
ヒラヒラと揺れるカーテン
程よく入ってくる風
『もうすぐ、桜が咲きそうですね』
看護師さんが言った
『そうですね。今年も綺麗に咲きそうですね』
『そういえば、調子はどうですか?』
『だいぶ、安定してきました』
『よかったです。その調子だと今年中には退院できそうですね』
『よかった』
私は昔から体が弱く、入院しては退院しての繰り返し
私はそろそろ死んでしまうのだろうか…
死にたくない 怖い
そんな思いを喉に隠して過ごす日々。
看護師さんたちはみんな優しく、仲良くやっている
『桜が咲いたらみんなでお花見したいですね』
『いいですね。みんなでお花見』
そんな事を話して数日後
〇〇さんの容体が急変して、明日を迎えられるか分からない状態になった。
みんな必死で看病した
休む暇なんてない
〇〇さんを救いたい
そんな思いも虚しく、〇〇さんは新しい世界へ旅立った
『………………』
『みんなでお花見しようって言ったじゃないですか…』
『…〇〇さん。桜、綺麗に咲いてますよ』
一人〇〇さんが居た病室で呟く。
今日は、風が涼しいですね
カーテンがなびいている
桜の花びらが1枚、病室に入る…
『青く深く』
空は綺麗だ
どこまでも続く青い空
時々現れる、白い雲
何もかもが綺麗で、美しい
いつか、あの青い空をもっと近くで見てみたい
夕暮れになると、太陽は仕事を終えて、帰っていく
あんなに青かった空が瞬く間にオレンジ色へと
変化していく
人間も虫も動物も、それを合図に家へと帰る
いつか、あの太陽が帰った後、太陽はどうなるのか
見てみたい
夜になると、空は神秘的に変わる
星星が美しく、小さく輝いて
月を目立たせる
いつまでも見ていられる
そんな空は私は好きだ
いつか、あの空の一部になって月を目立たせたい
『夏の気配』
チリンチリン
風鈴がなっている。
家の縁側で一人ラムネを飲む。
暑い中、冷たいラムネを飲むのはとても美味しい。
ほのかに吹いている風も、また心地いい。
川で冷やしていたスイカを取りに行こう
川に来ると他の場所より涼しく、冷たい水が気持ちいい
冷たくなったスイカを抱えながら、家へと戻る。
スイカを切って、二切れ縁側に持っていって食べる。
『美味っ!』
やっぱスイカは美味しいなぁ
扇風機に当たりながらスイカをほおばる
(これでまだ、夏じゃないっておかしいだろ)
そう思いながら、青い空を見上げる。
最近、セミの声が増えてきた。
前より暑くなってきた。
もうすぐ夏だな
『スイカ…また冷やしとかないとな』
夏はもうすぐ。
みんな、熱中症気をつけてね。