長い年月をかけて徐々にすり減っていった心はもう元には戻らないのかもしれない
知らず知らずのうちに
互いに傷つけ、傷つきあっていたのだ
2人一緒にいることを選んだ以上、必ず付きまとう問題なのは分かっていた
わかっていたはずなのに……
「わたしたちもうお終いかもね」
わたしは正面に座る彼に向けて静かに告げた
『すれ違い』2023,10,20
穏やかな昼下がり
すやすやとお昼寝する2人を
太陽はやわらかな光で優しく包み込んでいた
『やわらかな光』
振り返った時の顔
それは別れの時にみせるような顔ではなかった
静かに睨みつけてくる鋭い眼差し
その眼には堪えようとする涙の膜があったわけでもなく、ただただ憎いといった様子だ
睨まれるような事をした記憶……
走馬灯のように、過去の記憶に思いを巡らすがわからなかった
やがて、ふいっと彼は行ってしまったのだった
僕は呆然とその場に立ち尽くしていた
『鋭い眼差し』2023,10,16
高く、高く
もっと高く
こんなんじゃ届かない
もっと、もっと高く飛ばなきゃ
『高く高く』2023,10,15
ひょんな運命から、また君の隣に居るようになって気がついたこと
キラキラと目を輝かせる姿は今も変わらないのな
若い頃ならまだしも
いまでは寡黙な雰囲気を醸しているのに、本当はイタズラ好きだったり、意外と多趣味なこと
そして、それを隠すわけでもなく目を輝かせ楽しむ姿は大人になったいま、羨ましく思う
いつしか、大人げなくはしゃぐことが恥ずかしいとか思ってしまうようになってしまったから
彼には、大人だとか、子供だとか関係ない
好きなものは、好きだと揺るがない自信を持っているのだ
けれど別に子供っぽいというわけでもなく
大人になっても少年のときの心を忘れていないのだ
そんな君を、また隣という特等席から眺め、一緒に歩けることを僕は嬉しく思うよ
『子供のように』2023,10,13