こどもの頃の異様なまでのカーテンの内側への興味、惹かれ方は、なんだったのだろうか。
グルグル巻きになったり、隠れたり。
ときにはレースカーテンに包まれお姫様みたいになったり。
1番覚えているのは、幼稚園のホールにひかれていた、黒くて大きな遮光カーテンが強い風に吹かれてぶわっと広がった光景は、それはそれは壮大なものだった。
そう思うと、カーテンは幼い身体をすっぽりと包んで隠してくれる、秘密基地のようなものだった。
『カーテン』2023,10,12
ほんのちょっと休もうか
そんな怖い顔して
ずっと糸を張っていてもつかれるだけだ
ちょっとくらい手を抜いたっていいじゃないか
だれに怒られるわけでもない
たまには立ち止まって
目を閉じ、深呼吸して
落ち着こう
だれでもない君のことが心配なんだ
じぶんをたいせつにしてほしくて
身体がこころが壊れてしまうまえに
一緒に逃げよう
『束の間の休息』2023,10,08
「当たれ」
そう、強く願い
両手を合わせ
顔の前でぎゅっと祈る
『力を込めて』2023,10,08
教室、窓側の席
ぼくは、机に頬をつきながら外を眺める
校庭にみえる木々は紅や黄色く色づき、放課後の茜色に染まる空の色と相まって、すっかり秋の景色になっていた
秋は好きじゃない
帰り道に感じる金木犀の匂い
ひらひらと落ちるイチョウの葉
少しづつ肌寒くなっていく気温
この季節は、どこか寂しさを感じさせるものばかりだ
暑い夏に寒い冬
分かりやすい2つとも
出会いと別れの春
ってほど何かある訳でもない
淡々と過ぎていく秋
ぼくはそっと目を閉じ、想いを馳せる
『過ぎた日を想う』2023,10,07
眠れない夜。
ぬいぐるみをぎゅっと抱きしめながらベッドのうえでごろごろと寝返る。
カーテンのあいた窓からのぞく夜空には無数の星が煌めいていた。
はじめてのデート、ゲーセンでゲットしたぬいぐるみを抱きしめる腕にちからが入る。
男の部屋には不釣り合いな、可愛くて大きなぬいぐるみ。
それは僕の12星座をイメージしたキャラクター。
そして、夜空には相手の星座がキラキラと輝いていた。
はじめての恋をしてから、胸がドキドキしたり、ぎゅぅーっと締めつけられたり、初めてのことばかり経験している気がする。
今日の運勢だとか。
気になるあの人との相性だとか。
別に星座占いなんて信じるきは無いが、なんか気になって見てしまったり、毎日会っているのに会いたくなったり、思い出しては顔が熱くなってきた。
僕はぬいぐるみに顔を埋めながら、目を閉じた。
『星座』2023,10,06