心の底で淀めいているこの感情の正体を私はむろん感じ取っていた。
私はいつあの女性と生涯を共に生きたいと告げる勇気が湧き上がるのか、今晩もそんなことばかり考え目を閉ざす
そのうち私には一つの哀れでもあり、期待でもある考えが思い浮かぶ
時を止める
傍からみたら手の付け所もないくらいのアホがふと思いつきそうな発想だが、不可能とは限らないのである
私はこの生涯、その発想実現のため全てを掲げ、成し遂げると決定した
鳥のさえずりが聞こえ、喜々たる陽の光が私のなんとも可哀想で寂しそうな頭部を照らす
完成したのだ
私は完成もの間、様々なものを失った。だが引き換えにこの世の大進歩と称賛されるべき物体を作った
いざ試すときが来た
時よ止まれ!!
さっきから目で追っていたハエが宙にとどまり動かないことを見るとやはり成功だと垣間見えた
だが、ここで私は一つの陥るべき問題点に気づく
これどうやって動かすの?
夜の海ってさ
こう、アニメとか映画とかでは
ヒロインと二人きりでちょっと秘密な話をして
距離を縮めるイベントの場なんだけど
俺はそもそも海なんて行ったことないし、
ヒロインとやらにも出会ったことないんだよなぁ…
それに夜の海なんて、なんか海に引きずり込まれそうで
めちゃ怖いやん
僕が乗っている自転車に君が急に乗ってきて
二人仲良く同じ自転車に乗りながら帰る……
まぁ、全部妄想で終わっちゃうのが現実なんだけどね
でも、僕がとてつもない幸運を引いて、
もし君が恋人になったとしたら
二人乗りなんて絶対しない
危ないし…だってあれ、確かやっちゃダメなはず…
…そう言う弱気な部分が僕のダメなところなのかなぁ…
心の健康はころころ変わるし、急になくなったりする
君の奏でる音楽は
とっっっても汚く、聞いてられないほど
クソみたいな音楽だ
でも、それが良いと感じる人もこの世にいるらしい
その意見を頭の念頭に置きもう一度君の音楽を聞いた
うーん、何度聞いてもクソはクソだった
しかし、クソなりに努力はしたらしいから
嫌味みたいな事は言わないようにしていた
だけど、俺一人がそんな事をしたって周りの人は
「下手くそ」とか、「無音の方がいい」とか、
物事考えずに、感じたことをそのまま口に出すサルがいる
そいつらのせいで君は音楽の世界から追い出されるように
姿を消していった
君は未だに批判によって出来た傷口が癒えず
ピアノは弾くものの、それを俺以外に公開することはない
君の奏でる音楽は未だにクソだけど
聞いてられないほどのクソではなくなった
俺はクソな音楽を奏でる君が好きだ
俺もこの気持ちを音楽にして君に伝えてみようかな