三碧

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2/12/2024, 12:05:09 PM

伝える前に諦める
いつものように
それが楽だから

伝えたいなんて
贅沢すぎる望み
はじめから捨ててしまえ
楽に生きたいんだろ


そうして誰にもほんとうのことを伝えないまま
偽物の僕が出来上がる
楽に生きられてるかって?


そんなわけないだろう

2/12/2024, 5:27:23 AM


約束などしなくても、
ここに来ればきみがいる。

わかっている。
もう動かない、喋らない、
腹も空かない、冷たい石の下のきみ。
わかっているけれど。
それでもきみの名を呼び、語りかけ、
好きだった珈琲を置く。

いつかこの場所で、
ふたたびきみの隣に眠れる日を待ち侘びて。

2/8/2024, 8:12:14 AM

書いてしまったら記憶に残り続けるから
このまま書かずにいよう

あなたへの手紙

2/3/2024, 12:55:49 PM

「当然みたいな顔して生きてるけど、もしかしたら明日死ぬかもしれない。それなのに、ずっと一緒にいようだなんてよく言えるよね」
 ちょっと意地悪言ったら、ぴくりと片方の眉を上げて。
「きみといれば、1秒だって1000年だって、ぼくにとっては『ずっと』だよ」
 腹の立つほど余裕の笑み。
「1000年なんてそんな先、人類みんないないかも。そんなのつまんない」
 むっとしながら繰り出したのがだいぶ稚拙な反論だったから、ちょっと楽しげですらあるそれはまったく崩れない。
「だったらきみとふたりきり、源氏物語でも読み耽ろう。1000年前の恋の物語を1000年先で読むなんて、ロマンティックこの上ない」
 そうやってますます愉快そうに、ころころ声を立てるものだから、こっちもついつい笑ってしまう。どうしてここで源氏物語が出てくるのか謎だけど、そんな突飛さも可笑しくて。
 ああ、このひととならきっと1000年先でも大丈夫。そんな気がした。

2/2/2024, 1:35:06 PM

ちいさな青い星をひそかに集めたように、
慎ましやかに咲いている
「私を忘れないで」と冠した花の束を、
きみに放り投げて言えたらよかった。

忘れないでという呪い
かける勇気が僕にはまだ、足りなかったんだ。

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