⚜️リーリエ⚜️

Open App
3/30/2025, 12:49:30 PM

春風とともに

いつも歩く通りに春風が吹き抜ける
心地よい風が吹く度桜が舞っていた

ひらひらと舞い落ちる花弁は紙吹雪のようで
出会い別れを噛み締める者達を祝福していた

私は1本の桜の木の枝を握り締めた
大切な人から貰った凄く大切な宝物
枝の咲きにはいくつか桜が咲いてた

そんな小さな桜が春風とともに飛んでゆく
でも優しい春風は私が背負っている重荷を
飛ばす程の強さを知らなくて季節が巡る中
私は何一つ変わらないままだった

春風とともに飛んでゆきたい
私が知らないところまで
私を知らないところまで
そしたら、そのさきで
何か変われる気がする
生き直せる気がする。
だから春風ともに遠く離れた空の向こうで
消え去りたい――

3/27/2025, 10:09:44 AM

春爛漫

家に帰る暮れ六つ時
微かに明るい青空は
初春の訪れを示した

子供達が帰ったあと
公園のベンチに座り
温かい風を感じてた

ある桃色が横切った
ふと上を見上げると
桜が月に照らされる

桜咲く夜風の景色が
星々のように美しい
春爛漫という刹那を
私は心に深く刻んだ――

3/26/2025, 10:29:40 AM

七色

空に霞む七色の虹
空が晴れ渡る序章

ビニール傘越しに
ある虹を見上げた

完全に消えるまで
その色を見つめる

雨は好きではない
でもまた待ち望む
七色の虹を見るために――

3/14/2025, 10:27:05 AM

君を探して

唐突に始まった終り無きかくれんぼ
空の果てに隠れた君を、探し求める
結末など来ないというのに

どれだけ君の名を遠くに叫んでも
本の様な自由な展開を期待しても
会える事は無いというのに

過去に生きる君は何度もみたのに
今宵を生きる君はどこにもいない
でも生きる君を探している

今すぐ君に会いたい
会う方法など知っている
でもそれを許してはくれない

だけど…

「ねぇ…もういいかい?」



               もういいよ――

3/13/2025, 10:10:16 AM

透明

黒く光る貴方の瞳に私はいない
小さな水溜まりにも私はいない

茜の斜陽が私の体を貫く
影にも追いかけられない

透明な私は透明な過去を思い出す
胸が静寂に染まる瞬間を思い出す

「あぁ私、幽霊なのね――」

Next