みゆき

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春風とともに

いつも歩く通りに春風が吹き抜ける
心地よい風が吹く度桜が舞っていた

ひらひらと舞い落ちる花弁は紙吹雪のようで
出会い別れを噛み締める者達を祝福していた

私は1本の桜の木の枝を握り締めた
大切な人から貰った凄く大切な宝物
枝の咲きにはいくつか桜が咲いてた

そんな小さな桜が春風とともに飛んでゆく
でも優しい春風は私が背負っている重荷を
飛ばす程の強さを知らなくて季節が巡る中
私は何一つ変わらないままだった

春風とともに飛んでゆきたい
私が知らないところまで
私を知らないところまで
そしたら、そのさきで
何か変われる気がする
生き直せる気がする。
だから春風ともに遠く離れた空の向こうで
消え去りたい――

3/30/2025, 12:49:30 PM