3/27/2025, 10:09:44 AM
春爛漫
家に帰る暮れ六つ時
微かに明るい青空は
初春の訪れを示した
子供達が帰ったあと
公園のベンチに座り
温かい風を感じてた
ある桃色が横切った
ふと上を見上げると
桜が月に照らされる
桜咲く夜風の景色が
星々のように美しい
春爛漫という刹那を
私は心に深く刻んだ――
3/26/2025, 10:29:40 AM
七色
空に霞む七色の虹
空が晴れ渡る序章
ビニール傘越しに
ある虹を見上げた
完全に消えるまで
その色を見つめる
雨は好きではない
でもまた待ち望む
七色の虹を見るために――
3/14/2025, 10:27:05 AM
君を探して
唐突に始まった終り無きかくれんぼ
空の果てに隠れた君を、探し求める
結末など来ないというのに
どれだけ君の名を遠くに叫んでも
本の様な自由な展開を期待しても
会える事は無いというのに
過去に生きる君は何度もみたのに
今宵を生きる君はどこにもいない
でも生きる君を探している
今すぐ君に会いたい
会う方法など知っている
でもそれを許してはくれない
だけど…
「ねぇ…もういいかい?」
もういいよ――
3/13/2025, 10:10:16 AM
透明
黒く光る貴方の瞳に私はいない
小さな水溜まりにも私はいない
茜の斜陽が私の体を貫く
影にも追いかけられない
透明な私は透明な過去を思い出す
胸が静寂に染まる瞬間を思い出す
「あぁ私、幽霊なのね――」
3/1/2025, 7:45:34 AM
あの日の温もり
日溜りのような温もりと
薔薇のように美しい愛で
私は幸せで溢れていた。
でもいつしか私は世界を知り
妬みと憎悪に押し潰されて、
1人の大人として生きていた。
あの温もりはいつしか消えて
やがて思い出となり過去になった。
そしてあの日の温もりを恋しく思う今は
古傷となってしまった――