夏
初夏の訪れを窓越しに感じる。
聡明なアジサイも今ではただの汚れもの。
どんよりと思い空気を晴らす夏はあと少しで
やってくる。終春はやっとのこと背を向け始め
新たな世界に春を灯す。
驟雨も霧雨も見飽きた今は、
退屈を物言う同じ口でそっと歌う。
初夏を彩る天ノ川
織姫の心 彦星の思い 今宵の初夏には
伝わるだろうか。
霧雨がそれを邪魔し
驟雨が二人の思いを現すような
そんな未来が見えてくる。
夏の訪れ
梅雨の終わり
新しい景色が移される
ここではないどこか
ここではないどこかに私の幸せが生きている
首輪の外れた犬のように二度とは帰って
こなかった。ここではないどこかでその幸せが
誰かに憑依でもしているのならここではない
どこかで暮らしていきなさい。
私はもうすぐ神直々に幸せ与えてくださるから
いらないよ。
永い生を生きる者に与えなさい。
君と最後に会った日(実話)
ゴールデンウィークの時だったよね。
好きな人と一緒にスポッチャに行ったり
カラオケしたりご飯食べてた。
でも、ご飯のとき症状のせいであまり食べられ
なくて変わりに残ったの食べてくれたよね。
嬉しかったけど悲しかった。
気を遣わせちゃってごめんね。
その後、症状が悪化して倒れちゃった。
最悪の日にしちゃってごめんね。
病弱な姿をみられて凄く恥ずかしい。
きっとひいたよね。LINEの返信だって
その日から途絶えちゃった。
ごめんね。君がいる遊びによく誘われるけど
会わせる顔がないや。お見舞いもたまに
来てくれるけど布団で顔隠して寝たふりして
ごめんね。もう会えません。
はぁ、もっと違った失恋をしたかったなぁ。
君と最後に会った日が悪日でごめんね――
一年後
TheEnd
子供の頃は
げんきだったなぁ。
公園に遊びに行って、ポコペンとか
ドロケイしたっけ。
そんな遊びがいつの間にかスマホに化けちゃった
また、皆と走って
笑って。子供の頃のように自由に――