【大切なもの】
わたしは私に聞いてきた。
「大切なものはなにか」
「命だ。それ以上に大切なものはない」とそう
答えた。それは、六年前の一年生の頃。
時はその時から四年後。
最愛の友とぶつかり疎遠になった。
また、わたしは私に聞いてきた。
「大切なものはなにか」
「友だ。友がいるから幸せで、時には困難な
壁を共に乗り越えてくれるから」とそう答えた。
またその一年後。あぁ。空を見上げるように
大きく見えた六年前の桜は、いつの間にか
私の近くにいる。命も徐々に削れて行き、
友とは別れの時がやってきた。
桜舞う空のした。
わたしは私に聞いてきた。
「大切なものはなにか」
「それは、今だ。」
大切なもの―
エイプリルフール
嘘をつくのは楽しいのかな、
大切な友達に嘘をつくなんて私にはできない。
友達:「エイプリルフールだよww」
あなたは私に嘘をつく。
「私、お前のこと嫌い」
「エイプリルフールでしょ?」
「そうだよ!エイプリルフール…」
私は友だと嘘をつく
【幸せに】
願わくは幸多かれ
心の臓は宴の如く天まで舞いそやつの神に
幸の祈りの何のその
仲を積もらせそやつに宿る
幸の一つと闇一つ
一つ勝つゆえ口大きくかっぴらき
楽しげに踊る今
見届ける神の目よ
みなの幸に祝福を
一人の闇の道しるべとなれ
変わり行く感情よ
時の感情がそやつの定めとなりて
幸にも闇にも転ぶだろう
嗚呼 宴に轟く今宵の酒よ
神に喜び宿したまえ
明日の定めよ幸せに
生死の運命(さだめ)よ
幸せに
何気ないふり
きみはまた、何気ないふりをする。
みゆきと言う名の私はバレバレな嘘は嫌いだよ。きみは、わたしの「嫌い」のお手本のようだ。
「おっはよー!今日も元気なこゆきだよ!」
また何気ないふり。私には話してくれないその
わけに心底腹が立つ。私たちは本音で話し合え
ない仲なのね。
「おはよ!今日も大好きなこゆきに会えて
嬉しい!」
何気ないふりをする
[まるで、鏡ね。相手の気に入らないところばかり
見ているかぎり、自分の醜さが見えない。
こゆきとみゆき。入れ換えても結末は一緒ね。
よく似た
仲のいい友達です事―
【ハッピーエンド】
あぁ 何て素晴らしいのだろう
「幸せに暮らしましたとさ」
その一言で、心が晴れやかになる。
あぁ大好きなハッピーエンド。
それがしだいに殺めてしまいたい程、嫌悪を
抱いていた。
倒されたきり、本には何一つ書き残されない
悪役たち。人を傷つけてしまう訳を聞いても
くれず不幸だけを押し付けられる。
あぁ 何てかわいそうなんだろう
あぁ 狼や鬼たちよ人の勝手なイメージで
悪役にされるなんて何て惨めなんでしょう
「どんな理由があろうと傷つけてはいけない」
誰にだって言えない言葉だ
もちろん悪役たちも
人が人であり、誰かを否定する限り。
ハッピーエンドなんて手に入らないのに。
なぜ人はハッピーエンドを描き続けるのでしょう
あぁ すべての役たちに栄光、いいえ
ハッピーエンドあれ―