【ハッピーエンド】
あぁ 何て素晴らしいのだろう
「幸せに暮らしましたとさ」
その一言で、心が晴れやかになる。
あぁ大好きなハッピーエンド。
それがしだいに殺めてしまいたい程、嫌悪を
抱いていた。
倒されたきり、本には何一つ書き残されない
悪役たち。人を傷つけてしまう訳を聞いても
くれず不幸だけを押し付けられる。
あぁ 何てかわいそうなんだろう
あぁ 狼や鬼たちよ人の勝手なイメージで
悪役にされるなんて何て惨めなんでしょう
「どんな理由があろうと傷つけてはいけない」
誰にだって言えない言葉だ
もちろん悪役たちも
人が人であり、誰かを否定する限り。
ハッピーエンドなんて手に入らないのに。
なぜ人はハッピーエンドを描き続けるのでしょう
あぁ すべての役たちに栄光、いいえ
ハッピーエンドあれ―
3/29/2024, 1:14:52 PM