空ノ宵

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7/5/2024, 5:53:44 AM

       神様だけが知っている


   私と貴方の一瞬の物語


           貴方はあの時言ったわ


      『ずっとそばにいる』って

           
           約束、守ってよ…


 どこにいってしまうの?
      
    
    私は、貴方とそっちにいってはいけないの?


      …答えてよ……



『神様だけが知っている』

7/1/2024, 2:17:27 PM

通勤するあの人はすぎてゆく街並み。

初めて親になったあの人は生まれてきた小さな生命。

親の帰りを待つあの子供は仕事帰りの親の姿。

授業中に眠くなったあの学生は外で運動する生徒の姿。

希望に満ちたあの人は朝焼け。

今日が嫌になってしまったあの人は星々と月明かり。

恋人と離れるあの人は恋人の乗った車。

一人取り残されたあの人はいつも隣にいた人の眠り顔。



窓越しに見えるのは、その人によって違う。
今の貴方には、何が見えているだろう。
貴方の心は、なんと言っているだろう。



『窓越しに見えるのは』

6/27/2024, 10:55:40 AM

あなたと離れるのは私も寂しいわ。
またいつか、ここではないどこかで会いましょう。
それまで元気でね。


ーーーーー今日の朝は目覚めがいい。
夢を覚えてはいないけれど、
どこなく、私が小さい時に亡くなった母親に抱きしめられたような、そんなあたたかさがあった。
会いに来てくれたのかな。
今の成長した姿を見せたいな。

またね、お母さん。



『ここではないどこか』

6/26/2024, 2:39:47 PM

あれから5年が経ったよ。
もう、すっかり笑えるようになって。
心を許せる相手もできた。
大好きな人も増えて、私はすごく幸せだよ。
もっとこっちの世界でお土産つくってそっち行くから。
それまでちょっと待っててね。じゃあ、またね。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

高校2年生の夏。

私の親友は空へと身を投げた。

彼女はどんな気持ちで命を手放したのだろう。

彼女がいない世界を愛せないとあの時は思った。

私の唯一の希望だったから。

でも今、こうして私は笑えている。

貴方との思い出は私の支えになっている。

ごめん。つらかったよね。
気づいてあげられなくて。ごめん。

君と最後に会った日は
どうしようもなく綺麗な空と
君のいつも以上に明るい笑顔で
私の心に一生残る光であり傷でもある。

あの時の笑顔はこの世界から解放される嬉しさから
…なのかな。

君がいない世界で頑張って生きていくから、
待っててね。





ーーーーーどこからともなく懐かしい
        笑い声が聞こえた気がしたーーーーー





『君と最後に会った日』

6/25/2024, 1:57:27 PM

「ねえ、きみってまるで繊細な花のようだね。」

誰?誰が私に話しかけてるの?

「どうして君はここにいるんだい?
 そんなに疲れているのに。
 体は悲鳴をあげているのに。」

やめて。話しかけないで。

「あーあ。僕だったらこうはしないのに。
 良いこと思いついた!僕と一緒に逃げよう?」

逃げる?そんなの無理に決まってる。
どうせこのセカイから逃げ出せないんだ。
みんな私を非難する。

「だからこそだよ!ほら、手を取って。
 ラクになろうよ。僕も一緒にいるからさ。」

優しい目、声をする彼に
私はすぐに心を許してしまったみたいだ。
どこかで聞いたことがあるような声。
会ったことあるような雰囲気。

「あんまり気が乗らない感じ?
 まあ、まだ考えても良いけどさ。」

…いく。一緒に、いかせて

「じゃあ、決まりだね。
 もう君は心も体もズタボロじゃないか。
 お疲れ様。」

ぎゅっと抱きしめられたような優しさに包まれ、
思わず涙がこぼれる。
こんなあたたかさを感じたのはいつぶりだろう。

「…上手に泣けなかったのかな。
 いっぱい泣きな。つらかったね、苦しかったね。」

そう、私はずっと我慢してた。
耐えないと、耐えないと、って。

「よしよし、いいこいいこ。
 疲れちゃったね。
 …逝こうか。」

私は名前も知らぬ彼と手を取り
優しさに包まれながら
ずっと憎んでいた社会を見渡す。
そして星空を見上げ
記憶から星空をなくさないよう目をきゅっと瞑り
私は自由な空へと一歩踏み出した。







『繊細な花』

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