内容が少し(?)GL(女性同士の恋愛)風味です。
しかもお題を軽く(かなりかも)無視してる気がしまっする
『友情』
「あ、こらそっちじゃねえよ。こっち」
そう言うと彼女は、私の手をそっと掴み引き寄せた。
「あらやだ。イケメンなことするじゃーん」
そう言うと、迷子になられると困るからなあと返された。引き寄せる為に繋いだだけの手は、すぐに離されそうになる。
まだ、もう少しだけ繋いでいたくて、手に力を入れる。
「痛えんやけど」
「そうねえ。君はか弱いもんねえ」
「叩くぞごら」
これはきっと、彼女からしてみれば女友達から悪戯されてるな、程度のことだろう。
けれど私からするとね、これは友情だからと自分に言い聞かせて君に触れる、下心のある事だったりするの。君はきっと、いつまでも気付かないでね。
『聞いて聞いて!この森の先にね……』
歩く度に花が咲き、声が響く。
森の入り口付近の花は、森の噂と前を通る人の声を響かせた。
『そうなの!私見たんだよ!けどね……』
花は少しずつ、聞いた言葉を響かせた。
上手く聞き取れなかったのかところどころ内容は飛んでおり、どういった話なのかは判らない。
『聞いて聞いて!あのね……』
『さあ、もうお帰りなんし。お母様が……』
幼い声とは別の声が響いた。
『やあ!いらっしゃい!今日は……』
また別の声が響く。
2つの新しい声は、幼い声の主を出迎えたり、送り出したり、この森に住んでいる人なのかもしれない。進めば判る。
『飛天。来たよ、どうし……』
『そうでありんすねえ。帰っていただく……』
幼い声は響かなくなり、2つの声だけが響き始める。
『いらっしゃい!』
『いらっしゃい!』
『いらっしゃい!』
声が響く。
『お待ちしておりんした。さあ、こちらへ。』
花はそう、はっきりと響かせた。
『こっち』
『こちらへ』
『右へレッツゴー!』
『そのまま真っ直ぐでありんす』
はっきりと、はっきりと響く声につられて進む。
『後ろっ!』
声が響くと同時に後ろを見た。
そこには一人の青年が立っていた。
「早く帰らないと、もうすぐ日が沈んでしまいますよ」
青年はそう言うと、後ろ、と声を響かせた花の方へと歩き出した。
早く帰ろうと来た道を進み始めたとき、後ろからまた、声が響いた。
『もう沈みきったみたいだ』
もしタイムマシンがあったら??高校受験の答え探すのに使うね
今いっちばん欲しいものは高校受験合格するっていう確かな何か
「 」
聞き慣れた声が私を呼ぶ。
久しぶりに彼女の口から私の本名が出てきたので、少し驚いた。彼女と私はあだ名で呼び合うことが多かったため、まさか本名で呼ばれるとは……。
それが何だか嬉しくて…
オチは見つからなかった