フラれました。以上。
「ショージキ言ってさ、君って僕のこと嫌いだろう?」
まだ会って2ヵ月の君は言う。
そうね。そう思われても仕方ない。まだ私達の関係は、たまに遊ぶ相手くらいだからね。
「いーや。大好きだよ」
「嘘だねー!そういうジョークっていけないんだよ!」
「いつも黒めなジョークってかましてる君に言われたかないね」
僕は良いんだよ。君はそう言うとどこかに行ってしまった。
「正直言って、君の方こそ私のこと嫌いだろ」
「今日は、月が綺麗にみえんすね」
「…あぁ、そうだな。今日は本当に良い天気だ」
彼女の方を向かずに答える。
「どうしんした?今夜はやけに静かでありんすね」
心配そうに彼女は言う。
「いや、なんでもないさ」
なるべく明るく言ったつもりだったが、彼女は気付いた。
「何を隠してるんでありんすか」
ジッと綺麗な焦げ茶の目で見られる。
俺はその目に見られると、隠し事が出来なくなってしまう。だが、今回は。今回はだけは隠させてもらう。
「君が、身請けされると聞いて、ね。祝ってやろうと思ったんだ」
「そうでありんしたか。ありがとうござりんす」
「相手は誰だい?君みたいな華を身請け出来る男なんだ。さぞ位の高いお方だろう?」
「そうでありんすねぇ、優しい人でありんすよ。本当に。あちきのような者にも優しゅう接されて…」
そういう彼女の目はどこか寂しそうだった。
「どうした?急にそんな顔して」
「…実はあちき、ずっとお慕いしている人がいるんでありんす」
急な話に驚く。
「へぇ、知らなかったよ。なんだ、もしかして其奴と一緒になれないからあんな顔したのかい?」
「えぇ、そうでありんす」
「…そいつはどんな奴だ。会えなくなってしまう前に俺が会わせてやろう。」
「いいえ、大丈夫でありんす。もう、会えんしたから」
次の日、彼女は偉そうな、実際に偉い男と共に遊郭を後にした。
自分用←(ここ重要)解説擬き(元の話の予定など)
廓言葉つかってた人は、身請けされる前の日に会ってた男が好きで、その男も女のことが好き。両肩想い状態?知らん。
予定では足抜けさせるはずだったが、オチが思いつきんせん!状態に…オーノー。このオチは気合でゴリ押せー!なもの。
速く。速く。もっと。もっと速く。
逃げなきゃ。逃げなきゃならない。何から?知らない。判らない。覚えていない。じゃぁ、別に走らなくても…
「こっちー!」
どこ?どこにいけばいい?何?声?とにかく急ごう。右?こっちか?どこに…
「こっち!」
誰?手…?違う。何?長い?爪?鋭い…怖い?何?誰?急がなきゃ…
「こっちこっち!」
眩しい。出られた?どこから?何、何かいる。
顔…何?フード、見えない。高い。背が。おかしい。異様な程に。何?
「ぁヴア”」
何?声?なに?何?ナニ?
そっち?なに、とにかく急ごう…
白い、花?花でできてる。空間?アレ?顔…見える。傷?頬にある。なんで?
棺桶。なんでここに?
「こっち!」
なに?中…小さい。子供?人間の。3歳くらいかな。アレ?この傷、あの化け物にも…。
「ねぇ、これって…
なんだったんだろう聞けなかったな。また、会えたら聞こうかな。
「何聞いてんの?」
「天国と地獄」
「なんで?」
「ほら、これ。お題だから」
「…俺ちゃんも聞く」
「聞いたことある一人称だなぁ」
「デップーゥ」