今日は中身の無い創作
子猫を拾った。汚いダンボールに入れられ、降り注ぐ雨に小さな体を震わせていた。目が合ったのでいても立っても居られずに連れて帰った。幸いうちはペット可の物件。汚れを拭いてやりミルクを与えると元気に飲み干してくれた。これも何かの縁と思い、そのまま買うことにした。それから数年経った。子猫はまだ子猫のままだ。これはおかしい。そのうち尾が割れた。なるほどこの子は妖怪だったのか。それから数十年経った。子猫はまだ子猫のままだ。自分が死んだ後、子猫は消えた。どうやら子猫は自分にしか見えていなかったらしい。
すっかり秋めいてきましたね。まだぽかぽか陽気な時間帯もあるが、時折吹く風の冷たさが秋を感じさせる。秋風を浴びると、どこか寂しい気持ちになるのは私だけだろうか。秋のなんとも言えないクールさというか、別れがある訳でもないのに物悲しくさせられる。秋という季節は一瞬で過ぎ去る。気がつけば冬になる。本格的に寒くなる前に、このなんとも言えない気持ちを秋風と共にもうしばらく味わおうではないか。
私は成人式に行かなかった。表の理由は振袖の着付けが面倒だから。本当の理由は、かつてのクラスメイトに会う資格など無いのではと勝手に思っていたから。優しくしてくれた女の子たち、いつもおちゃらけていた男の子。初めてお付き合いをしたあの人。会えば話に花が咲くとは思った。でも、どうしても顔を見せる勇気が出なかった。
成人式の後は同窓会があったらしい。幼なじみから何枚か写真が送られてきた。皆、昨日も会ったかのように楽しげだった。やはり勇気を持って行くべきだったと後悔した。
あれから1年が経とうとしている。次の同窓会までいつだろう。みんな、また会いましょう。
みんなはスリルを味わいたい?私は普段は穏やかな暮らしを望んでいるけれど、たまにはヒリヒリする感覚を味わいたい時もある。難しい役割にチャレンジしてみたり、クラスメイトの揉め事を遠目から見たり(あまりそういうのをエンタメとして見るのも如何なものかと思うけれど)。いつも平和な空気の中にいるからこそ、時としてスリルを味わいたいと心のうちで思っている。だからといっていつもヒヤヒヤさせられたら困るんだけれどね。
人間に翼が生えるとどんな感じなんだろう。腕が変異してできたものか、それとも背中から立派に生えるものか。何となくだけれども、その翼はお飾りのもので飛べないような気がする。どれだけ精一杯翼を動かしても風が起こるだけで浮くことすら出来ない。そうなるといずれ人類は翼をファッションのパーツとして見るようになり、デコレーションをして楽しむ若者が増えてくる。ifの世界。