夜空を越えて
『火星は人が住めるかもと言われている。
もちろん宇宙服なしでは住めない。
だが現在、水や生命体の存在が期待されており
人類が住める可能性のある星とされている。』
学校の授業で太陽系の星を調べることになり、
私の担当は火星となった。
本に書いてあることを要約しながらプリントに写す。
最近はタブレットが授業でも主流となり、
図書室であるというのに
ほとんどの人がAIに頼っている。
私は本のほうが馴染みがあるため使わないが。
プリントを最後まで埋め本を閉じる。
(天体に興味はないがこれは面白かったな)
火星以外の色んな惑星のことや
衛生、恒星なんかも載っていた。
私は地球以外の星へ行きたいなんて思わない。
日本から出たいとも今は思わない。
けれど分野を問わずたくさんの知識をつけて
想いを馳せることも一興かと思う。
凍える指先
今日から始めたランニング。
ランニングのために新しく服も買った。
いざ走ってみると案外温まるものだ。
人も居らず雑音もない。
聴こえるのは鳥のさえずりだけ。
布団から頑張って出たかいがあったなと思った。
ただ少し指先が冷える。
手袋をつけてきた方が良かったかも。
いやこの手や耳の冷たさが冬を感じて良いではないか。
明日も走ろう。
三日坊主常習の私でも続けられそうな気がする。
きらめく街並み
家々の灯りが街を照らしている。
都会では星が見えない。
建物の灯りが多いから。
でも星が見えない代わりに街が照らされ、
きらめく夜景が見られる。
いつも独りだけれど、
この中で生きている私は孤独ではなかった。
街が私を照らしてくれる。
ひとりじゃないと思わせてくれる。
秘密の手紙
昔辛いことがある度に手紙を書いていた。
宛先不明。
誰にも届かないそれに、忘れたいと念を込めて。
そんな何十、何百にも及ぶ手紙を
部屋の掃除をしているときに見つけた。
いつもは開けない押し入れの奥底。
使い古されたような箱の中。
もう何年も前の手紙。
だから、開けてみようと思った。
大量の便箋。そのひとつを手に取り開封する。
その手紙には所々水滴の跡のようなものがあった。
泣いたのだろうか、この手紙を書いているときに。
最後まで読んでも
その時の自分の気持ちが私にはわからなかった。
もう過ぎたことだから。
今の私には辛かったという記憶しか残っていない。
何がどうとは説明できない。
そっか。
誰にも理解されないってわかっていたから
自分の中で消化しようとした。
でも消化しきれないから手紙にして
自分の思いを吐き出そうとしたんだ。
また、笑うために。
また、人と関わるために。
また、自分らしくいるために。
冬の足音
冬に飲む水が好き。
とても冷たいのだけれど、
お風呂上がりに飲むと生きていると実感する。
冬に見る星が好き。
冬の夜空はとても澄んでいて、
世界は広いのだろうと何故か感じてしまう。
冬に入る電気毛布が好き。
最初は冷たいのだけれど、
入っているとだんだん暖かくなる優しい熱。
冬に食べるみかんが好き。
コタツに入って食べていると、
いつの間にか手が黄色くなっているんだよね。
これ全部、冬だから味わえる「好き」なんだ。
冬は今日本に遊びに来ている。
いつまで日本にいるんだろうか。
冬がきた痕跡をたくさん残して行って欲しいね。