月見 うさぎ

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3/23/2024, 4:08:50 AM

「バカみたい」
「好き」
夕焼けのオレンジの光が入る教室の中響いた声。
彼の心には届かなく、断られてしまった。
誰もいなくなった暗い教室。
「、、、バカみたい」
だけど、楽しかったな。
彼との帰り道、カラオケ、、、。
思い出すとふっと笑いたくなるような思い出が沢山ある。今までありがとう。

「さよなら。」

3/21/2024, 2:46:17 PM

私はいっつも結局一人ぼっちのつまらない人間だ。
そんな私を変えてくれた人がいる。

彼女は、どんな時でも私のそばにいてくれた。
黙って私の話を聞いてくれた。
友達を作るのが苦手な私にとって、唯一無二の大切友達だった。
ある放課後、彼女に悩みを打ち明けたことがある。その時も彼女は黙って話を聞いてくれた。
「私は、いつも一人ぼっちな人間だ。」
そう言った時、彼女は一瞬悲しい顔をして、こういった。
「あなたは一人ぼっちじゃないよ。私がいるじゃない。二人ぼっちだね。」と。
二人ぼっちか。確かに、そうかもしれない。
その時はそう思った。

けど、やっぱり私は一人ぼっちだ。
1人で部屋に籠っているただのぼっち。
あれ以来、彼女とはあえていない。
そもそも、元々彼女はいなかったんだ。










彼女は、私が作った“イマジナリーフレンド”だった。

3/20/2024, 12:30:57 PM

「夢が醒める前に」
あなたに会いたい。
その夢が叶えたように思えたあの日の夜。夢から醒めて何日経っても鮮明に覚えているあの日の記憶___

ずっと後悔していることがある。あの日に戻れたら、あの人に会いたい。でも、その夢は叶わないことは知っている。時間は取り戻せないことは自分が一番わかっている。

あの日、伝えたかったことがある。午後2時48分。とある交差点で人と車が接触した。怪我人、死者は2人。
あの日、あなたが守ってくれたから、私は今ここにいる。記憶の無くなったあの日。あなたは夢で教えてくれた。

「生きて。」

その言葉だけを言ってあなたは歩いてどこかへ消えていってしまった。でも、その言葉だけで全て理解出来た。
ああ、私はあの事故で助かったんだ。
だからここにいる。そして、あなたは助からなかった。ただそれだけ。ただそれだけのはずなのに、溢れ出すのは涙だけ。なんでだろう。なにか、大切なことを忘れている気がする。

目を覚まして一番最初に目に入ったのは、泣いている女性。
「××、、、!」
女性曰く、彼女は私の母親らしい。そして、私を助けてくれたのは、、、
そこだけは、聞いても分からなかった。わからないと言うより、モヤがかかってるみたいに脳内に入ってこない。まるで神様が教えないように、呪いをかけたかのように。

事故から数ヶ月が経って、また、夢をみた。彼が出てくる夢。その時も彼は
「生きて。」
とだけ言った。たったそれだけ。
でも、一回目と何か違う。何故か分からないけど、モヤが取れたように、彼との記憶が蘇ってきた。
彼は私の…大切な人だ。
それで十分だ。彼と話したい。彼に伝えたいことがある。でも、運命は残酷で、また彼が歩いていってしまう。待ってと言いたくても、声が出ない。


そして私は目が覚めた。

もう何年も前の話だけと、私は一生彼のことを忘れることは無いと思う。あれ以来、夢に出てくることはなくなって、少し悲しいけど、私は私なりに生きてみることにするよ。だから見てて。絶対に生きててよかったと思えるような旅にするから。あなたへのお土産も沢山持って、胸を張って「久しぶり」って言えるように。

3/18/2024, 1:27:24 PM

「不条理」


この世は理不尽だ。
つくづくそう感じることがある。生まれ持った才能の差。親の収入。どう頑張っても抗えないものはの世の中には存在する。そんな壁に立ち向かうには、どうすればいいのだろうか。
どんなにどんなに努力したって、才能の差は埋まることは無い。なぜ、自分はこうしてまで努力して、努力して、様々なことを犠牲にしてきたのにも関わらず、こんなに苦しい思いをしなければならないのだろう。世の中で凡人と呼ばれる位置に分類される私は何度この苦しさを味わっただろうか。そして、これからもどれだけ苦しまなくてはならないのだろうか。考えるだけで恐ろしい。

世の中平等なんて嘘だ。
どんなことにも差は生じる。

これからの時代、今まで以上に人との差が求められて来るだろう。自分の存在意義を示さなければ生きていけないような世界になるかもしれない。人以外に、AIとも比べられるかもしれない。そんなとき、どうすればいいかなんて誰にも分からない。教えてくれない。

今までも、これからも、世の中は不条理に回り続ける。そんな世の中をこれから私たちは生きていかなければならない。

3/17/2024, 4:00:49 PM

「泣かないよ」

あからさまな同級生からのイジメ。主犯はクラスの学級委員長だろう。それにしても相変わらず馬鹿みたいだ。典型的なイジメすぎる。先生に見つかったらどうなるかとか考えてないのだろうか。
朝学校に行くと机の中が画鋲まみれだったり、テストの答案を書き換えられてたり...
もっと上手くできないのかと考えながら、証拠を残しておこうといつも通りスマホで写真を撮る。こんなのももう慣れっこだと自分の心に言い聞かせる。そうしないと心が辛いから。自分は人に虐められやすい性質なのだろう。小、中とずっといじめられ続けてきた。
誰しも先生に相談すればいいと思うだろう。だが、それは出来ない。なぜなら、学級委員長は先生の“お気に入り”だからだ。だから、私は何も出来ない。ただただ目の前のことが現実だと受け入れることしか出来ない。

今日はゴミ当番を代われと言われた。いつもよりはマシだ。掃除が終わり、ゴミ捨て場へ向かう。そうすると、そこには学級委員長とその取り巻きがいた。こういう人達は1人で行動できない。可哀想な人たち。すると、学級委員長が話しかけてきた。
「ねえ、相変わらず汚いね〜」
「ほんとに、近くにいると汚れるからやめてほし〜」
「ほら、ゴミ以下。ゴミと一緒にこれも捨ててやるよ」
それは、母の形見だった。
母は元々身体が弱くてあまり外に出れない人だった。お淑やかで、お上品な人だった。そんな母が私は世界で一番大好きだった。母は亡くなる直前にあるものを私に渡した。
「私が死んでから開けなさい。」
という遺言を残して。
お葬式も終わり、母から貰ったものを開けた。それは、私の中学入学祝いのシャーペンだった。私の名前も入っていて、とても思い入れのあるものだ。
そのシャーペンが今捨てられようとしている。
「それは、、、やめて。」
「は?あんたに拒否権なんてないんだけど笑」
「なんで、そんなことするの?楽しい?」
「あんたには関係ないでしょ」
「関係ある。私は被害者、あなたは加害者。」
「だから何?別にいじめる理由なんでどうでも良くない?ただの暇つぶしだよ」
「ただの暇つぶしにそんなに時間かけられるんだ。凄いね。」
「あんたバカにしてるでしょ」
バカにしてるに決まってる。なんであなた達みたいな脳みそ空っぽな人に自分の時間を割かなくてはならないのだろう。
「あ〜もう頭にきた!このシャーペン捨ててやる。」
反論したい気持ちを抑えた。
「おい、泣けよブス」
取り巻きの1人が言った。1人が言うと他の人間も口々に言い始める。
「私は、、、泣かないよ。泣いたら負けだと思うから。」
自分にしては頑張ったと思う。
「あっそ。じゃあね、シャーペン。」
そう言って学級委員長はシャーペンを足で粉々してその場から立ち去った。
言葉にならない怒りと悲しみが押し寄せてくる。今まで思ったことの無いような感情だ。
泣いたら負け、泣いたら負け、、、と言い聞かせる。

、、、ガサガサ、、、
え、誰かいる?
そう思って周りを見渡すと、そこには悲しそうな顔をした父の姿があった。そういえば、今日は先生と父の2者面談だった。少し沈黙の時間が流れた。沈黙を破ったのは父の言葉だった。
「大丈夫か、、、?」
「うん」
「そうか」
「うん」
会話が止まってしまった。父も、これ以上話しかける言葉がなかったんだろう。
「帰るか。」
「うん」
帰り道。再び沈黙が訪れる。
......
「お父さんが言えることでもないんだけどさ、」
「うん」
「泣いたら負けでは無いと思うよ」
「うん」
「泣いてもいいんだ、お父さんもお前と同じ状況なら、ああ言うと思う。でも、お父さんとお前の違いは、お父さんは弱い事だ。俺は弱い。こんなこと言ってるけど、未だにお母さんのことを引きずっている。たぶん一生乗り越えられないんだろうな。でも、お前は違う。お母さんを思い出として心にしまって未来へと踏み出している。お前は負け組でも、弱くもない。お前は強いんだよ」
「うん、、、」
「だから、あんな奴ら気にするな。前を向け。泣きたい時に泣いて、笑いたい時に笑え。それが、強い人だ」
「う、、、グス、ん」
その日、私は今までで1番感情を出して泣いたと思う。でも、心は晴れた。
もう、どんな事があっても怖くない。泣かないよ。





次に泣くのは、たぶん、きっと、合格発表の日。


終わり

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