題【自転車に乗って】
「自転車に乗って世界一週したいな~!」
「すみれ~、なに言い出してるの?」
「大きくなってからの夢かな、もう高校生だけど」
「あはは!じゃあ私もいっちゃおうかな?」
「良いよ。私が乗せてあげる!」
こんな風に冗談も言い合えるのは今だけ、だよね。
「悲しいな。」
「なにが?」
「もう高校生でしょ?みんなと離れるのが。」
「大丈夫だって!私がいるじゃん!」
「そうだね。」
「待って、私、重要なことを思い出した!」
「ん?どうしたの?」
「気づかない?」
ん~?あっ!
「私、自転車に乗れない!」
「大人になって、ずいぶんたってからの夢になりそうやね。」
「あ~もう!」
もう少し先の話でした(笑)
題【君の奏でる音楽】
~♪
君の奏でる音楽は、居心地が良い。
なぜか落ち着くんだよな。永遠に聞いていられる。
「何を考えているのですか?」
「ん?綺麗な音色だなって。」
「ふふ。ありがとうございます。」
「なんか、落ち着いて聞いていられるんだ。」
「へ~!じゃあこう演奏したらどうでしょう?」
~♪
「わぁ、凄い!更に良くなったね。」
「えへへ。そうですか?どっちの方が良いですかね?」
「2回目の演奏かな。でも、選べないな~!」
「貴方くらいです。わたくしの演奏を優しく聞いてくれるのは…。」
「だって、本当に綺麗で心に刺さるんだもん。これからも、美しい音色を聴かせてね。」
「はい!」
わたくしは、こんな風に接してくれる彼のことが大好きなのです。
題【麦わら帽子】
夏が来た!
彼女が被っている麦わら帽子を見ると、改めて感じるな。
可愛い、正直に言って。
風に吹かれて、特徴的な長い綺麗な髪が帽子の下でなびいている。
うっかり見とれていたら、彼女が、「どうしたのです?」と聞いてきた。
「あぁ。ごめん、可愛いなって。」
俺は、ものすごく緊張していたのに、余裕ぶってる振りをした。
「は、はぁ!?」
急に何を言っているのですか!?
「あはは。照れてる!」
やべ。攻めすぎたかな?めっちゃ、顔が赤くなってるんだけど!
「まぁ。ありがとうございます。」
凄い嬉しいけど。緊張してしまって。
「貴方もかっこいいですよ?」
言ってます!言っちゃったよ!?
「えっ!あっ、ありがとう。」
仕返しかよ!もう!
「あんたも照れてるじゃん!」
「べ、別に照れてない!」
恥ずいんだけど!
「よーし!アイスを食べいきましょう。」
この時間を楽しみたいです!どうせなら。
「あっ、待てよ!」
夏、楽しいな。
題【終点】
キキー…!
「あ!」
ドン!
「キ、キャー!」
痛い!あーもう、車に跳ねられてしまいました。
全身が痛みますわ。えへへ。
「ねぇ、大丈夫?ねぇってば!すみれ!返事をして!」
?
「ねぇ!もう!」
だから大丈夫だって言ってます。
「とりあえず、救急車を!血が!」
どうしよう。どうしよう。
友達だけど、助けれるの?やるべきことは…!
「ここは、どこでしょうか?あれ?生きてる。」
「電車だよ。人生の終点。」
「はっ?何をいっているの?」
「だから、君は死んだっていってんの!」
「あは、あはは!何をいっているの、本当に。だって、貴方と話しているでしょう?」
「だって僕は死神だもん。君を案内しに来た!」
「案内って、どこにです?」
「それは、あの世に決まってるじゃん!」
「え、はぁ?」
「ほらほら、早く行くよ?」
「えっ!ちょ、やめてください!」
私は、死神といってる人に強く腕を引っ張られ、電車に連れ込まれそうになったとき。
「すみれ!乗ったらだめ!私の手を取って!」
「この声は?聞き覚えがあります。」
「だめだ!これが終点なんだよ!」
私は、無理やり、彼の手を振りほどいた。
「ん?」
「えっ!?起きた!すみれが起きた!」
「ま、や?」
「そうだよ、そう。」
「彼女がすみれさんを助けてくれたんですよ。」
「えっ!」
「彼女の正しい判断のお陰で助かりました。」
「そうなの?ありがとう、ありがとう!」
あの時、助けてくれたのは。きっと。
本当に、ありがとう。
題【上手くいかなくたって良い】
「はぁ。なんで私はなにもできないのでしょう。」
最近、私は思い通りにいかないことが多いのです。
「どうしたの?大丈夫?」
「あぁ。隼人ですか。」
隼人は、私の一番の幼馴染みです。
「元気ないね。嫌なことでもあった?良かったら聞くけど?」
「良いのですか?」
「うん。気持ちが軽くなるなら。」
「あの、…なんです。」
「えっ!それだけ?!」
「それだけとは失礼な!」
「あはは!ごめんごめんって。」
「うっ、もう!」
「でもさ、誰が完璧じゃないといけないって言ったの?」
「っ!それは!知らないですけど…。」
「でしょ。でないよね。完璧じゃなくて良いんだよ。」
「えっ。」
「うん、上手くいかなくたって良い。自分らしくいることが大切なんだ!」
「っ!です、ね。何を根拠に悲しんでいたのでしょうか。」
「完璧な人間はいないよ。」
「そうですね!ありがとうね。隼人!」
「そっか~!すみれが元気になってよかったよ!」
あ~、やっぱりすみれは可愛いな~!
良いやつかも?隼人も。少しかっこ良かったです。