sunao

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11/16/2024, 12:48:00 AM

落っこちてるまんまるオレンヂの毛玉

根本から立ち上がってる弱々しく細い毛は
空気の流れに微妙にふるえる。

毛玉は、呼吸のリズムで膨らんだり萎んだり上下する。

見ているのはミルクの夢か。

小さな温度のオレンヂの毛玉。



「子猫」

11/15/2024, 5:09:21 AM

日差しは暖かくても、空気は透明で冷たい。

青色のタータンチェックのストールをぐるぐるに巻いて、一時間に一本の電車を待つ。

ホームの後ろには色づいた木々が並ぶ。

さらにその後ろには山がある。

空気に溶けるような風が吹くと、木々から葉が剥がされ落ち、ホームに落ちてた葉たちと一緒になって、カサカサ音を立てながら輪を描く。

並木の葉の隙間で光はきらきらと揺れ、黄色の葉は光を透かす。

遠くに電車の影が見えてきた。




「秋風」

11/13/2024, 10:20:03 PM

最近朝、起きづらくなってきた。

寒くなるとみんなそんなもんでしょう?

ああ、起きたくない。

でも起きなくちゃ。

起きたくない。

そんなわたしにおふとぅんは、微笑んでこう言うんだ。

『また、会いましょう。』

おふとぅん〜〜〜!!!




「また会いましょう」

11/12/2024, 4:10:57 PM

縁石から落ちたらワニに食べられちゃう。

横断歩道の白い線から落ちたらワニに食べられちゃう。

友達にガイドされながら目を瞑って帰る。

友達にガイドされながら後ろ歩きで帰る。

学校の帰り道は危険がいっぱい。

そしてそこら中ワニだらけ。




「スリル」

11/12/2024, 12:12:27 AM

眠りにつく前に見る鏡の中の自分が哀愁を誘う。
何も考えず横たわり、一日を静かに終える。

朝になり、カーテンの隙間から一筋の光が差す。
今日は薄曇りに柔らかい雨が降っている。

少し前まで一緒に過ごしていたあなたとわたし。
とても長い時間。
あまりにも普通に終わってしまった。
まるですべてが意味がないことだったみたいだと脳裏に浮かぶ。

道路向こうの川べりのススキは柔らかな雨と日差しを受けている。

こんな歳から何をするっていうんだ。
飛べない翼。
いやそんなものそもそもないか。
跡形もなく抜け落ちてる気がする。

後の人生をどう過ごすのか。
もうすぐ枯れ野原となるだけだろうススキ野を、ただ見つめる。





140作突破記念
「飛べない翼」

前回 11/2 130作目。
10作ごとぐらいにしている。
これまでのタイトルを並べて繋げたもの。
内容は続いていない。
インターバル的なもの。

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