日差しは暖かくても、空気は透明で冷たい。青色のタータンチェックのストールをぐるぐるに巻いて、一時間に一本の電車を待つ。ホームの後ろには色づいた木々が並ぶ。さらにその後ろには山がある。空気に溶けるような風が吹くと、木々から葉が剥がされ落ち、ホームに落ちてた葉たちと一緒になって、カサカサ音を立てながら輪を描く。並木の葉の隙間で光はきらきらと揺れ、黄色の葉は光を透かす。遠くに電車の影が見えてきた。「秋風」
11/15/2024, 5:09:21 AM