sunao

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8/30/2024, 2:18:19 PM

白い毛をした猫さんは


夜は月の雫

朝は朝露

昼はひなたの香り、
ひまわり畑の花の香り、
猫じゃらしの揺れる草むらの香り

を纏って歩いています。



「香水」

8/30/2024, 12:17:09 AM

言葉はいらない。ただ、見つめ合うだけで気持ちが通じる。

きみは、別の星からきた人。
きみの瞳はこの星の水色や緑をよく映してキラキラしてる。
きみは特別。
みんなは気づいてなくても僕にはわかる。
だって僕はきみから目を離せない。
きみも僕を見つめ、
僕たちの間には言葉にならない気持ちが行き交う。

こんな特別他にないから
だから、きみは別の星からきた人。




「言葉はいらない、ただ・・・」

8/28/2024, 11:36:17 PM

「台風の目…」
天気予報を見ながらつぶやいた。
「どんなかなあ……」
お母さんがわらった。
「ただ晴れてるだけだよ。」

次の日、学校は休みになって、ぼくは一人で留守番。窓の外は夕べからの雨と風。
しばらくすると、突然風が止んだ。

コンコンコン

誰かが玄関をノックする。

そろうっとドアを開けると、
頭が目になってる水色のワンピースを着た女の子…が、立っていた。
女の子の後ろには雲一つない青空が広がっていた。

「おじゃまします。」
そう言って女の子は家の中に入っていった。
リビングのローテーブルの前にちょこんと座った。

それを見て、ぼくはお湯を沸かして、お客さんにするみたいにきゅうすでお茶を入れて女の子に出した。

女の子は湯呑みを両手で持って、目を閉じてお茶を飲んだ。
閉じた瞳にすき間からお茶を注いでるように見える。
目が痛くないんだろうか。
お茶菓子に家にあったおかしも出してみたけどそれには手をつけなかった。

お茶をずずずと飲み?終えると、女の子はすっくと立って
「ごちそうさまでした。」
と言い、玄関から出て行った。

とたんにごうっ、と強い風が吹いたので、ぼくはあわててドアを閉めた。
閉めきるすんぜん、女の子が風に乗って空にのぼっていった気がした。

夕方、強い雨と風の中、お母さんが帰ってきた。

「ねえ、るすの間、台風の目がきたんだよ!」

「ああ、そうだったねえ。」
雫をはらいながらお母さんが言った。



「突然の君の訪問。」

8/27/2024, 2:37:18 PM

雨になるとあいつが立っている。


学校帰り、児童玄関の前、あいつが立っている。

赤い魚。

むなびれで黒い傘を持って、脛まで分かれた足の
先はスニーカーを履いて。

ぼくを待っている。

みんながそいつの横を通り過ぎていく。

だけどぼくが歩き出すと後をついてくる。

なにをするでもないが、ついてくる。

こんなの完全に不審者ってやつだと思うから、
ほんとは人に話したり、助けを呼んだりしたい。

だけどしってる。

こいつはぼくにしか見えてない。

家まで着くと、敷地には入らずぴたりと止まる。
そしてぼくが家に入って行くのをじいっと見てる。

しばらくして見に行くと消えている。

夏の間だけ。雨が降ったら必ずというわけでもない。


僕は大人になった。

今日は雨。

窓の外、会社の前の道に目をやる。

「また来てるな…。」




「雨に佇む」

8/26/2024, 3:32:45 PM

ひなたくんは まいにち わたしのことを日記帳にかいているの。

いわば ひなたくんの日記帳はわたしの日記帳ね。

ひなたくんは毎朝「おはよう。」って言ってくれるの。

それでわたしがげんきか気づかってくれるわ。

時々 「すごーい。」とか「きれいだねー。」とか わたしを見て言ってくれるわ。

そしてよくわたしのことを絵にかいたりするのよ。

ひなたくんはいつもわたしをじーっと見つめてくるからてれてしまうの。

そしてこのまえおしえてくれたわ。
わたしの名前 「あさがお」っていうんですって。

きょうもあの子がやってくるわ。

「おはよう。」



「私の日記帳」

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