sunao

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8/12/2024, 4:28:56 PM

ザトウクジラは3頭で世界一周できるくらい、遠くまで音を伝えることができる。

そして彼らは歌を歌う。

広い広い海にひとりぼっちでいる鯨たちが、きっと遠く遠くの別の鯨に自分はここだよって伝えてるんだよね。
それでひとりぼっちでいるようでひとりぼっちじゃないことを確認し合っているんだろう。

誰かが新しい歌を作ったら遠く離れた他の鯨もその歌を歌い出すんだって。

この水の惑星は、見えないし聞こえないけど、そんな鯨の歌声に包まれながら回ってるんだね。



「君の奏でる音楽」

8/11/2024, 7:12:57 PM

草むらに寝っ転がって顔に麦わら帽子をのせる。
日差しが眩しいからだけど
そのインスタントにできあがった薄暗がりの世界に
隙間から漏れる光と景色
い草みたいな芳ばしい香り
麦わら帽子の外と中で世界は確実に分けられている。
その小宇宙の中でわたしはひっそり息をしているのだった。



「麦わら帽子」

8/11/2024, 12:12:23 AM

「お客さん、終点です。」

車掌に揺すられ、目を覚ました。
しまった!寝過ごした!

終電の終点……なんてこった………
ホームからは辺りに灯りは一つも見えない…
無人駅じゃないだろうか。

空を見上げると紺碧の空にたくさんの小さな星たち。涼しい風がさあっと柔らかく吹いた。

もういいや。心地いい気温だしここで寝てしまおう。
まだ眠たかったおれはホームのベンチに横になった。

十分ほどした頃だろうか

タタタン…タタタン…

電車?
終電だったはずなのに
整備用の車両とか?

思っていると
青い一両だけの電車が目の前に止まった。

中にはお客のような人影も数名見える。
ええい!ままよ!
おれは吸い込まれるように電車に乗った。

タタタン…タタタン…

電車はおれの行きたい方向と逆に進んだ。
なんだよ。
まだ先があるのかよ。

おれはたいそうがっかりして
もういいや。
と電車のリズムに身を任せることにした。



目が覚めるとおれは自宅の布団の中にいた。

あれは夢だった?

不思議な気持ちで仕事をしながら時折小首を傾げていたら、先輩が
「どうした?」
と声をかけてきたので昨晩から今朝のことについて話してみた。

「はっはっは。
 お前、化かされたな!」
若いのになんて古風な。
「狐とか狸ってことですか?
 それはないですって。
 たぶん寝ぼけてたんですよ。」
「いやいや、
 おれ、あそこの鉄道に知り合いがいるんだけど、出るらしいよ。その駅。」
「狸?ですか?」
「そうそう。
 それでおんなじこと言う客がけっこういるらしい。
 まあ、いつもってわけじゃなく気まぐれらしいから、運がよかったな!」
「狸………」
親切な狸がいたもんだ。
確かにあの景色じゃ(昼は一面田んぼとか?)狸はいるだろうけど。
ホームで寝てる人間が気になるのか。
邪魔なのか。
心配なのか。
それともいたずら心で驚かせたいのか。
そんな狸のことをぼーっと考えながら、なんかお礼をしたいと思うのだった。



「終点」

8/9/2024, 11:58:17 PM

なんてったってわたし自身が器用になんて生きれてないからね。
だからきみに上手くいくことばかり求めたりしないさ。

たださ、しあわせになってほしいんだよね。
だから、自分をしあわせにしてやれるように、できるだけがんばってほしいな。

どんなふうだって、しっぱいしたって、きみが満足してそこにあれるならそれで十分だよ。
きみの満足のためにがんばってほしいんだよ。
もしだめでも、やるだけやってだめなら納得いくだろ?

結果がどうでも、最後にきみがわらっていられたら、それでいいんだ。



「上手くいかなくたっていい」

8/8/2024, 3:36:03 PM

今日のきみを最初に見た時、花が咲いたみたいだって思った。

そして屋台をあっちにふらふらこっちにふらふら
浴衣の袖をひらひらさせて、かき氷をストローで食べてるところを見てたら、やっぱり蝶々かな。って思った。

今日のきみは花であり蝶々なんだね。

そして蝶よりも花よりもきれいだ。




「蝶よ花よ」

7/16「空を見上げて心に浮かんだこと」
7/24「花咲いて」
と同一人物かも。

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