粉末

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3/31/2024, 4:20:19 AM

何気ないふりで君と同じメニューを選んだり
君が好きなキャラクターの柄の靴下を履いてみたり。
さりげなく君と接点をつくりたくて必死だった。
格好つけたかったんだ。
賢い君にはばれていたかもしれないけれど。

そういえばあの時
急に髪型を変えたよね。
実はあれ、俺がいちばん好きな髪型だったんだ。
かわいい君が更にかわいくなってたまらなかった。
偶然ってすごいよな。


何気ないふり

3/30/2024, 4:59:21 AM

彼女と出会えて結ばれて。
丈夫な体で飯もうまい。
もうそれだけで
俺の人生ハッピーエンド確定なんだ。

「安い幸せ。」
「うるさいな。あ、嫉妬?みっともないぜ?」
「うざ。」
「きっとこれからもたくさん素晴らしいことが待ってるんだ。まだまだ死ねないな。」
「大変だね。僕はもういつ死んでもいい。」
「そんなこと言わないでくれ。」
「本当だよ」

あの人の輝かしい経歴に
ほんの少しでも影を落とせるのなら
もうそれだけで
僕の人生ハッピーエンド確定だ。

「ハッピーエンドかどうかは自分で決めるものだろ。」



ハッピーエンド

3/29/2024, 3:54:01 AM

みんながみんな下を向いて
なにやら忙しそうにしているとき
君だけが
上を向いて空を見ていた。

みんながみんな前を向いて
互いを品定めしているとき
君だけは
下を向いて本を読んでいた。

そんな君に見つめられると
俺の全てを見透かされそうで
少し怖かった。
昔は、ね。

今は
君の深い夜空のような目に見つめられると
だらしなくにやけてしまうんだ。



見つめられると

3/28/2024, 5:51:39 AM

俺の心を君が奪っていく度に
体は甘く痺れて動かなくなる。

私の心をこの人が奪っていく度に
体は軽くなって空を飛んでしまいそうになる。

ぎゅうと抱きしめあう度に
無くなったはずの心がうずいて涙が溢れてくる。

体を少し離して笑い合う度に
互いをまた好きになってそして心が生まれていく。

これまでもこれからもずっと。


My Heart

3/27/2024, 3:52:31 AM

あれがほしいとかこれがほしいとか
ああなりたいとかこうなりたいとか
ただ虚しいないものねだり。

「良いじゃないか。ないものねだり。
人生一度きり。欲深く生きていけばいい。」

簡単に言ってくれる。
その涼しい顔ぐちゃぐちゃにしてやろうか。
「ないものねだり、ってさ絶対に手に入らないから
ないものねだりなんだ。知ってる?」

「もちろん。言葉の意味は知っているとも。
しかし手に入らないと決めつけているのは自分自身だ。
知ったような顔で生意気に悟ったふりをするな。」
出た。この顔。
爬虫類のように目を細めて人を見下したように笑う。
僕の一番好きな人の一番嫌いな顔だ。

「じゃあこれはないものねだりじゃないってこと?」
いけすかない爬虫類に近付いていく。一歩、また一歩。さあ逃げろ。抵抗しろ。

「さてね。確かめてみたまえ。」

本当にぐちゃぐちゃにするぞ。



ないものねだり

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