粉末

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5/11/2025, 1:00:08 PM

僕を運ぶオンボロ船
まっすぐまっすぐ進む
嵐の中へ
氷山のど真ん中へ
僕の意思はてんで無視
それで良いのです
それしか無いのです
臆病な僕には
それが丁度良い


未来への船

5/8/2025, 2:35:41 PM

届かないのは書いていないからです
書いていないのはわからないからです
君への思いの正体は一体全体なんなのです

書いたって届きません
永遠に届かないのです
君は僕を知らないのだから


届かない……

3/12/2025, 1:55:09 PM

笑ってる。こんな近くで。
優しい、優しいこの人が、笑って、楽しそうに。

手を伸ばしていただろうか。
ピース、なんてしていただろうか。
ああ、思い出せない。

夢の中のあの人。

笑って、何より、自分のために。

夢が

終わり、また始まる、

        今日

3/11/2025, 11:23:26 AM

「今日さ、なんか見れるらしいよ。流星群だかなんだか。」
ふぅーっと気だるげに吐いた煙の向こう側で
ほう、とすました声が聞こえた。

「そういうのは興味ない?」
「ああ…まあそうだね。すまない。」
「いいよ。僕もだし。」
そう、僕だって興味ない。

「はは、どうしたんだね。なんだからしくないな。」
「そうだね。らしくない。」

「そうさな、どれ、ちょっと外に出てみるか。」
「は。」
どうしたの、本当。らしくないのはどっちだよ。
というかタフ過ぎるでしょ。さっきまで死にそうな顔していたのに。
まだ長い煙草をぐしぐしと灰皿に押しつけて
僕の北極星がきらめいた。

「見に行こう、星を。」


3/9/2025, 4:06:46 PM

「ん、ああ、すまない。」
ああこの馬鹿。またやってしまった。
呆れたような、諦めたような彼の目が
愚か者の心臓をしめつけた。
「いや、いいよ。たいした話じゃないし。」
「もう一度話してくれないか。」
「え、ああ、もう忘れちゃった。」
もう寝るよ。おやすみ。
その手は優しかった。

昨日の彼、今日の彼。1分前の彼。
もう二度と会えない彼。
こうして私の知らない彼が増えていく。
それなのに私ときたら嗚呼。
本なんていつでも読めるじゃないか。
今すぐベッドまで追いかけて
すがりついてみっともなく泣いてみせれば
こんな私を可愛いと言ってくれるだろうか。
それともついに嫌われてしまうだろうか。
嗚呼この意気地なし。


嗚呼

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