過去を悔やんでも仕方がない。
失った時間は戻らない。
通り過ぎて行った今を胸に
未来へつながる今を生きよう。
うむ。それでつまり君はどうしたいのだ。
…あと1日、いや3日待ってください。
ははは。なるほど命乞いかね。
…お願いします。
追加分レポート30枚。プラス反省文。
は。
プラス一週間私の下僕だ。
は?
急ぎたまえ。時間は有限だ。
恨むなら過去の自分を恨めよ。
…この鬼!悪魔!人でなし!
ふん。残念ながらこの人でなしも暇ではないのでね。
若人よせいぜい足掻け。
生きろ。誰が何と言おうと。
そうして過ぎ去った日々達は
決して君達を裏切らないさ。
過ぎ去った日々
そんなものある?
この世のものは金で買えるよ。
愛でも友情でも地位も名誉もなんでも。
それに愛で金は買えないだろ。
そうさね。この世の大体のものはお金で買える。
でもたしかにお金で買えないものはある。
君は賢い。わかっていてそう言うのだろう。
わかっているよ。
金で買えないものもある。
それがめちゃくちゃ厄介だということも。
それが金よりも大事な存在だということも。
それはあんただってことも。
お金より大事なもの
月だけが煌々と輝く静かな夜
可愛い君をシーツの海で捕らえて独り占めしようとしたがそれは叶わなかった。
今日の君は美しく恐ろしいセイレーンで
海に沈められたのは俺の方だったのだ。
君の声に魅了された哀れな男はもう逆らえない。
しかしまあ指の一本まで食い尽くされて君の血肉になれるならそれもまた良い人生だ。
月のベールを纏ったセイレーンは鳥の羽のように軽いキスをして甘い毒を囁いた。
夜の海にふたり沈んで夢を見続ける。
朝になればこの毒は溶けて消えてしまうから。
月夜
無駄に細くて白い右手の薬指に所有物の証が光る。
これが我々の絆かね。
嫌じゃないの。
もちろん。何なら左手でも良いくらいだ。
残念ながら絆、だなんて綺麗な気持ちは込めていない。
これは呪い。自由を奪う拘束具。
最もこんな物であんたを縛れるとは思えないけど。
なるほど確かにこれは絆、だな。
絆
たまにはツンと突き放した態度をとってみて
あなたの気を引こうとしても全然だめ。
だって大好きなんだもん。
ツンじゃなくてムスっとした顔。
怒ってるんじゃないことは知ってるの。
そういうとこもかっこいいけど
ねえたまにはそのムスっとした顔で
あなたから触れて。
たまには