みらくるがーる

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6/13/2025, 10:22:29 AM

「君だけのメロディ」

僕は君のピアノが好きだった

初めて音楽室で聞いた時一瞬にして心を奪われた

そこから君を見ると目で追いかけるようになっていた

それに気づいた君は声をかけてくれた

「君、ピアノ好きなの?」

「す、すきです!」

咄嗟に言ってしまった

ピアノには微塵も興味が無い

僕は彼女のピアノのメロディが好きだ

そこから話すようになっていった

君のピアノを聴きながら勉強するのが好きだった

彼女が余命3ヶ月と知った時は絶望した

彼女のピアノが聴けなくなると思ってしまった

そして彼女が病院で過ごすようになってから

放課後毎日通った

ピアノの音はなく静かで

話しているだけだった

3ヶ月後

彼女は多くの人に看取られながら

眠り姫のように永眠してしまった

ふと彼女の心電図を見てみると

彼女だけのメロディを生み出していた

「嗚呼やっぱり君のメロディが好きだ」

6/12/2025, 11:39:21 AM

「I love」

好きな子に色々尽くして

こっちが燃え尽きて

こっちが勝手に傷つくより

自分のことを愛して

自分に正直に生きる方がよっぽど楽しい気がする

だから私は

このお題を「I love you」

じゃなくて

「I love me」

にしたい

6/11/2025, 12:24:54 PM

「雨音に包まれて」



「別れよ」

突然の出来事だった

彼から告げられたその言葉は

私の頭を真っ白にした

私と彼の出会いは大学で

サークルが同じだったため仲良くなった


色々なことをした

同棲まで考えていた

結婚までするものだと思っていた

そんなくだらないことを考えている途中で

嫌な事が脳裏によぎる


"浮気"


いや有り得ない

彼が私を捨てるわけない

きっと何か理由があるはず

きっと

きっとあるはず

理由

理由を聞かないと

「ね、ねえなんで?」

「実は他に好きな人が出来たんだ」

「後輩の〇〇ちゃんって子なんだけど」

よく知っている女だった

私より背が低く

流行に敏感で

フリフリの可愛いピンクの服を着ていて

手先が器用でよくヘアアレンジをしていて

よく私に話しかけては

彼のことを聞いて

彼にひっつき虫みたく引っ付いて

嫌な女だった

正直嫌いだった

彼に近寄って欲しくなかった

私があの女より劣っていたから

最悪のことを避けるため

あの女が彼をとるという

最悪なことを

だが起きてしまった

どうしようか

この後

あの女を

あの男を

どう壊してやろう

そうだ

そうだわ

ふふ

ふふふふふ

いい考えだわ

我ながらナイスアイデアじゃない

あは、

あはははは

これなら

いいじゃない

と1人口にしていた



ある夜

雨の降った夜

あの女とあの男を匿名で呼び出す

バカはホイホイやってくる

案の定手を組んで歩いてきた

右手にプレゼントを持っておく

とっておきのプレゼント

馬鹿共の目の前に現れる

呼び出した犯人が私だと気づいて

ほっとしたみたいよ

笑っている間にプレゼントを渡しに行く

男の横腹に2箇所

男の胸部に3箇所

男の足に1箇所

とっておきのプレゼント

女の首には5箇所

二度とあの甘ったるい声を聞きたくないからね

女のクソみたいな顔が認識できないように

プレゼントで

目をえぐり

男の口に放り投げた

歯も丁寧に抜いてあげた

私優しい

コイツらの悲鳴は雨音に包まれて聞こえなかったけど

コイツらの顔は十分に見えた

今には泣き出しそうな目はなんとまあ傑作だった

足も子鹿みたいに震えていて笑けて来る

かつて臭いほど臭っていた女の香水も

雨の匂いで微塵も感じない

気持ちがいい

すごく気持ちがいい

今ならなんでも出来る気がする

と思った瞬間目眩がした

あの男に足を刺されていた

ナイフが私の足に刺さっている

いつ刺されたのか分からないけど

フラフラしてきた

「たすけて」

必死に叫んだ

だけど私の元に駆け寄ってくる人はいない

嗚呼私の声が雨音に消されているのか

こんな男に刺されて死ぬより

賢い私は

よっぽどマシな死に方を選んだ

それは

自分の喉に持っていたナイフを刺した

あの女が笑っている気がする

でも今はどうでもいい

私はあいつらに復讐ができたから

それだけでいい

私は死んだ

と思っていた

次に起きたのは病院

病院で目覚めて

治療され

今取り調べを受けている


これが私のしたことです

わかりましたか

警察官さん
















6/10/2025, 11:51:17 AM

「美しい」

美しいという表現は難しい

誰かには美しく見えても

他の誰かには美しく見えないことだってある

だからといって合わせるのは美しくない

自分らしいくありのままという心を持ち

美しいものをとことん追求するのがよい



美しくなくてもそれを美しくする

人に優しくすることで貴方はより美しくなる

人を助けてごらん

貴方を美しくなり

助けられた人を美しくしようと努力することだろうね









6/9/2025, 10:29:18 AM

「どうしてこの世界は」

どうしてこの世界は弱いものいじめをするのだろうか

僕は考えていた

ものを投げられるたびに

殴られるたびに

蹴られるたびに

ビルの屋上にあがるエレベーターを押すたびに

考えていた

僕はなぜ弱いものいじめの対象なのか

ちょっとスポーツができなくて

ちょっと勉強が苦手で

ちょっと親が冷たくて

ちょっとモテなくても

ああ嫌なことばかり思い浮かぶ人生じゃないか

そんな僕を救ってくれたのは君だった

君と過ごした1ヶ月間は楽しかったよ

薔薇色の人生だったよ

でもそれが嘘告だと知った時

バカにされた時

憎んだ

この世界のあの子もあいつも神も

僕はなぜ弱いものいじめをされるのか

僕は考えながら

また

ビルのエレベーターの最上階のボタンを押し

考えがまとまった頃には

みんなの注目を集めながら

赤い花になっていた














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