私はひっそりと闘っていた。
この病がもし治らなければどうしようかと。
誰もこの苦しみを理解してくれないだろうが、
この先の人生どうして生きていこうかと。
誰も私の代わりになどなれない。
なぜならこの経験が私の人生に必要なことだから。
きっと必要なことなのだと自分に言い聞かせるも、
暗闇に包まれる度、涙が頬を伝う。
世界が自分ただ一人になってしまったかのように、
どうしようもなく孤独な気持ちになってしまう。
なぜ必要なのかという答えはまだ知らない。
今はただこの一日を生き延びるしかない。
宝物のように輝く日が来ることを待ち望みながら。
思い出のものは全部捨てた。
もらったプレゼントや手紙もお揃いで買ったものも。
最後は最悪だった。それなのに、
ふと思い出すのは、美化された思い出ばかり。
出会えてよかったのかも。なんて思ってしまう。
二人の過去を証明するものはもう何もない。
ただ一緒にいた記憶だけは、いつまでも捨てられない。
「いつかきっと返しに来い」と託された麦わら帽子
漫画の話ではあるけれど、
なんだか自分も、返さなくちゃいけない麦わら帽子があるような気がする
未だに返せてはいないけど、いつか自分も誰かに、
「きっと返しに来い」と麦わら帽子を託せたらいいなと思う
「上手くいかなくたっていい」
「生きているだけでいい」
友達や家族、大切な人が、上手くいかなくてどうしようもなく落ち込んでいたら、その言葉を伝えたい。
上手くいくことよりも、
もっと大切なことがあるのかもしれないよね。
私はあなたの人生の責任は取れないし
「上手くいかなくたっていい」
って言うと何だか無責任に聞こえるかもしれないけど
あなたが生きてくれてたら、なんでもいい。
「上手くいかなくたっていい」
生きてたらもっと大切なことがあるはずだから。
蝶よ花よと育てられ、愛嬌を振りまき、甘い汁を吸ってきた私。それが唯一私にできること、それが私の幸せ。
一人だけ時間が止まっているかのよう。
みんなが喜ぶのなら、それでもいい。
心が満たされなくとも、そこに本当の私はいなくとも。
そう思っていた。あなたと出会うまでは。
取り繕った姿を無意味にしてくれて、
蝶でもなく花でもない私を大切にしてくれる。
止まっていた時間が動き出す。