お題『イブの夜』
私は仕事を始めてから、イベント事のある周辺は休みだった覚えがない。そもそも、休みを申請していない。だから、イベントの日は家族と過ごす時間はとても短い。
私の他に休みたい人は沢山いる。だから、私はお正月やクリスマス等は先約がある時以外は休まない。
そして、それが不幸だと思わない。私の代わりに誰かは幸せな時間を過ごせるのだ、幸せなことじゃないか。
故に、この日に働いている人は優しい人なんだろうと、店員さんを見て思う。
みんなどこかで、幸せになって欲しい。
お題『プレゼント』
これを選ぶ時が一番、相手を思い出す。
相手の好きな色はなんだっけ。相手のよく使っているものは…、相手が以前なにか欲しい、と話してなかったか。相手の部屋に置いてあったのは。相手の苦手なものはなんだったかな。
一挙手一投足を、記憶の底から引き出してくる。
それらを思い出すことも楽しい。
そして、それらを渡した時の反応を考えることも、楽しい。
お題『ゆずの香り』
スーパーなどでゆずがごろごろ売っていたり、ゆずの香りのバスボールなどが販売されているのを見ると、なるほど、冬だな…と思う。
私はそもそもお湯に長く浸かるのが好きではないため、温泉に行ったり、バスボールを買う機会はほとんどない。
ただ、前に行った動物園で、カピバラさんがお湯に浸かりながらゆずに囲まれていたのは可愛くて癒された。一体それになんの効果があるのか、今のところ興味を持って調べたことがなく不明だが、ゆずの香りは好きだ。柑橘系の、少し苦い香り。ゆずは、料理に入っていたりすると、かなり分かり易い。サッパリしていて、主張がかなり強いから。
例えば、たくさんの人混みの中でも、パッと見つけられる、そんな感じだ。
私本人も、何故か他人に見つかりやすいため、ゆずの気持ちは分かるつもりだ。
ところで、ゆずもお湯に浸かっている訳だが、ゆず的にはお湯に浸かるとどうなのだろうか。気持ちいいならいいな、と思う。
お題『大空』
大空って、「空」と何か違うのだろうか…と思って、お題を調べてみた。
広々とした空や、そういう様という意味の他に、いい加減、頼りないという意味合いが含まれているらしい。
おそらく、空の中に雲が少ない、いわゆる、快晴に近い空のことなのだろう。
確かに、雲のない空は自然に意識が吸い込まれていく気がする。時間を忘れて、私を忘れて、どこでもなく、ただじっと見つめてしまう。雲がある時は、泡立つ波みたいとか、セーターみたいな模様だとか、あの向こうにお城がありそうだとか、そんなことを考える。そう、考えてしまうのだ。
本当に無心になれる空の模様は、無地の澄み渡る空なのかもしれない。
お題『ベルの音』
私は昔、クリスマスの日の朝は、起きてから一番最初に会う父と母に「おはようございます」と挨拶をしたら、直ぐにクリスマスツリーの下を確認していた。そこには、確かに前から言っていた欲しい玩具がそこにいた。狂喜乱舞…と言っても差し支えないほどに喜んだ。
正直、父と母から贈られても嬉しいが、サンタさんの方が余程嬉しかった。
欲しいものが絶対に手に入るというのも嬉しかったが、本当のところ、実際に会ったこともないような人が、自分が望むプレゼントをくれる、という不思議さが面白かった。
そして、大人たちは皆その存在を知っていて、彼らにだけは聞こえる音や気配があることも、また面白いと思っていたのだ。
よく音の響く廊下を、物凄い足音を立てながら走り、祖父母に「ねえ、サンタさんが来た音、した!?」と扉を開けつつ聞く。
すると、花が咲くようなとびきりの笑顔で「うん。」と頷く。私が「本当!!」と跳ね上がるほど喜べば、「シャンシャン、って音がしたよ」と更に言及してくれる。
てっきり、当時の私は、サンタさんの来た音が聞こえたから、祖父母はこんなに嬉しそうなのだ、と思っていた。
今となっては、私に向けられた、愛おしさや微笑ましさだったのだと理解出来る。子どもらしくて可愛い、と言われるが、当の私からすればちょっと恥ずかしい話である。
そろそろ、私はベルの音が聞こえるような年齢だ。
サンタクロースさんを労うために、当日は、クッキーとミルクを持って、会いに行こうと思う。