暁星

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8/5/2023, 9:52:19 AM

「あなたの人生です、好きなように生きていいのですよ」

そう言われると、困ってしまう。
私はアイデンティティがない、それは出口のない迷路を彷徨っているようなもの。


「では、好きなものはありますか?」

どの程度のことなのか?
好きなものはあるが、ライフワークと呼べない。
ただ私はその世界に潜って、そこの住人でいたいのかもしれない。


「充実した時間を過ごせていますね」

本当にそうだろうか?
自分にとって価値がある時間は、他者にとって興味もなく、無駄であるかもしれない。


「あなたの人生ですよ、あなた以外のことは一度忘れましょう」

忘れていいのか、考えたことがなかった。
大したことではない、でも私にとっては大切なこと。
このまま守り続けて、育てられるだろうか。


「その気持ちを忘れないで下さいね、いまのあなたはとても素敵ですよ」

私の心の何かが溶け出す、それとと同時に頬に伝うものを感じた。



『つまらないことでも』

8/4/2023, 10:04:54 AM

今まで自分が生きてきたこと、やってきたこと。
結局、何だったんだろう……

自分を見つめ直すには、いい機会だ。

白い世界は、何も答えてくれないけど。


『病室』


あともう少し……このまま……
身体も重い……身動きも取れない……
暑い……苦しい……誰かが乗っているみたいだ……


えっ、誰?目を開けたくない……怖すぎる……



願いも虚しく、目が冷めてしまう。こわごわとそっと瞼を開ける。

そして目に飛び込んできたのは、まるまると太った愛猫の顔であった。
「重すぎる……胸の上に寝るのはやめて」

『目が覚めるまでに』

8/2/2023, 10:03:00 AM

お気に入りの本を持ち、ふらりと電車に乗り、車窓の景色を眺めよう。
そして海が見える駅で降り、波音が聴こえるオープンテラスのあるカフェへと。
コーヒーを片手に、潮騒と海の薫りを楽しむ休日。

なんて贅沢だろうか。


『明日、もし晴れるなら』

8/1/2023, 7:54:42 AM

「なにを考えているかわからないよね」
嘲笑混じりに、こちらをちらりと見下しながら、クラスメイトに言われた。

別に大したことを考えてないけど、他人の粗探しをしているアナタ達よりはマシだ。

「反応ないから、つまらない」
私にはどこが面白いのかわからない、他人の悪口の話なんて。


この小さな教室という世界が、全てでない。
ここに居場所を求めなくても、拘らなくても。
だから、外へ自分の居場所を探した。



大人になっても、人間はあまり変わらない生き物らしい。
馬鹿らしいことで、無理に他人に合わせる必要なんてない。
自分らしく息ができる場所は、いまだによくわからないけど。
誰かといて苦しくなるより、このまま一人でいた方がずっといい。




私は、いま幸せです……




『だから、一人でいたい』

7/31/2023, 9:31:21 AM

その美しい瞳で何を見ているのか。
この世界のあるがままを、素直に受け止めてほしいと。
ただ、そう願うのもまた強欲だろうか。
あなたは、何にも縛られない。


『澄んだ瞳』

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