6/28/2023, 3:34:05 PM
ふんわりと私の顔を撫でる風は、水と土の薫りが混ざり合いになり、鼻腔を掠めていく。涼やかな風の心地よさに身を委ね、ほっと息を吐いた。
ごろりと縁側に寝転がり、冷たくなり始めた板の心地良さに目を閉じる。
ちりん、ちりんと辺りに響き渡る風鈴の音を静かな夕闇が受け止めていく。庭先に咲くクチナシが艷やかに耀り、花弁に雫を滴らせていた。
打ち水は祖父の日課である、そして此処にいる全てのモノ達への至福の褒美でもあった。この日々が失われないことを私は願い続けよう…。
『 夏 』
6/27/2023, 5:52:16 PM
小さな頃から私のアタマの中で視る景色は目の前に現実として拡がる世界とは違っている。
ときには触り匂いを楽しむこともできる。ワタシとして存在しているのか別の存在なのかはさておき、寝れない夜に最適である。
ずぶりと沈み浸りすぎると抜け出したくなくなるのが難点だ。
さて今日は何を魅せてくれるのだろうか…。
『 ここではないどこか 』