いつも教室に突っ伏してなんとなく授業を聞いている。
体育の時間はサボりだし、実技系の授業は受けない。
そんな隣の席のヤツが、ある日紙切れを渡してきた。ノートの切れ端だ。あまり話したことはなかったし、愛想もないから聞いたんだ。
「これ、なに?」
あいつは無言で机に突っ伏し直したよ。
顔はいいって噂されてんのに、もったいないヤツ。もっと愛想がよけりゃモテただろうにな。
少し不快感を覚えながら紙切れを確認するときに、あいつが机に突っ伏し直す前に見た顔が少し赤くなっていた。
なんなんだ?
内容が気になり、急いで確認する。そこには乱暴な時で
「好きだ」
と一言。
「不器用なヤツ。」
「、、、知るか。」
明日も変わらないんだろうなぁ、と今日も放課後の音楽室から窓の外を眺めている。
別れ際、手を振るのではなく一言「また」。
少し寂しい別れ際。「また」の一言さえ言ってしまえばその日はもう会えない。
明日、起きて学校へ行けばまた会える。でもどこか寂しい。
「また」ではなく、「また明日」と元気に手を振る。そうしたら、このどうしようもない寂しさはなくなるのかな
通り雨に降られた。
私は傘を持っていなかったので通りすがりのコンビニで立ち読みをしていると、ガラスの向こうで学生たちが急いで帰っているよう。
雨が激しくなってきたからか、天井の方からプラスチックを叩くような音が聞こえる。
「天井が薄いのか雨が強いのか」と独り言。恐らくどっちもだろう。
田舎で婆さんが運営してるようなコンビニだから、造りが甘いのだろう。
実は入るのが久しぶりで懐かしのラインナップを眺める。1番驚いたのは子供のころよく食べていたお菓子がまだたくさん売っていたことだ。店主の婆さんもあのころと変わらない。けど白髪と皺はたしかに増えていて、時が如何に経っていたか、ということがわかる。
ところでいくら経っても雨が止まない。おそらく走って帰った方が早いだろうが、ここから駅までにかなりかかるし社会人になって本気で走ってなかったものだから足はきっとなまっている。
コンビニだから傘が売っていると思ったがやはり田舎。そんなもの売っていない。
私は意を決して外に飛び出し、駅へ向かった。
ある夏の話
、、、
どんぐり、松ぼっくり、綺麗な石
もう片っぽ
イチョウの葉、ダンゴムシ、布切れ
5歳の息子が遊んで帰ってきた後、ポケットを裏返すとこれらが出てくる。
どうするべきか。