つっち

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6/29/2025, 3:34:29 PM

「青く深く」

青は、美しい。
いつだって私を惹きつけるものは、青い色をしている。

夏の青空

朝方は薄い水色が、空一面に広がっているが
日が昇るにつれて、水色から青色へと変わり
暑さが増す毎に、その青は更に深くなっていく。

空を見上げる地上では、刺すような日差しや
コンクリートに蓄積され、跳ね返る熱が地獄のようであるが、頭上に広がる美しい青はなんと爽やかなことか。

太陽からの熱が増すごとに、美しく深くなる青は
生命を奪う、悪魔のようで、こちらを招く天使のよう。

もうひとつ、惹かれる青がある。

海の青

海はどこまでも広く、青く、そして美しい。
空の色を映しているのだから、青い空に惹かれるのと
同時に、海にも惹かれるのは当たり前かもしれない。

空の色を写す海は、太陽からの陽射しという装飾によってさらに美しく映る。
陽射しが並に反射し、キラキラと輝く光景は
どんなに大きく、希少なジュエリーであっても
引き出せない輝きである。

そんな海も、やはり美しいだけではない。
遠くから見ても青く美しい海は、
近くで見ても青く美しい。
そして、海は空と同じぐらい、深いのだ。
海の底は、闇が待っているが、
道中は深い美しい青である。

深い青に飲まれてしまうと、たちまち私たちは為す術なく飲み込まれてしまい、青と同化してしまう。

美しいものは、青く深い。
そして生に近く、天国に近い存在なのかもしれない。

6/5/2025, 6:03:22 PM

「水たまりに映る空」

昼寝から目覚めると、窓の外から光が差し込んでいた。
眠りに落ちる前には、雨音が子守唄となって、微睡みの世界へ導いていたというのに。

季節は梅雨で、ここ暫くは雨続きだった。
久々に日光を浴びたくて、雨上がりの外へでる。
ほのかに香る、雨の匂いは、アスファルトが濡れた匂い、なのだろうか。
ジトりと湿気が身体にまとわりつくが、その反面、
空にはキラキラと太陽が爽やかに輝いている。

道には、そんな太陽の光を反射した鏡のような
水たまりが、さらに世界を明るくするように存在している。

普段はデコボコした、不便に感じる道だが。
雨上がりにはこうして、世界を照らす照明になるのだ。

導かれるように、覗いてみる。
少し歪み、薄らとした色味の自分が映し出されている。
晴れ空の青さまでは、映し出せてはいないが
太陽の煌めきは、その場に落とし込んだように、映し出されていた。

もうすぐ、梅雨も終わるのだろうか、とぼんやり思う。

6/1/2025, 6:19:22 PM

「雨上がり」

窓を閉めていても、聞こえていた雨音が聞こえない。
そういえば、薄暗かった室内も、明るくなっている。

窓から空を見ると、灰色の空から光が差し込んでいる。
青空、までは行かないが、薄い灰色の空模様へ変わってきている。

雨がなくともそのままの、湿っぽい空気とは裏腹に
雲から零れる日差しはキラキラと爽やかさを感じる。

さきほどまで、雨の受け皿だった水溜まりも太陽を反射していて、空と同じくらいに眩しく感じる。

雨上がりには2種類ある。
どんよりとした空や空気で、雨の再来を予感させるような雨上がりと、今回のような、光が差し込み、青空を感じさせる雨上がり。
どちらにも、違ったよさってものがあることを私は知っている。