つっち

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「青く深く」

青は、美しい。
いつだって私を惹きつけるものは、青い色をしている。

夏の青空

朝方は薄い水色が、空一面に広がっているが
日が昇るにつれて、水色から青色へと変わり
暑さが増す毎に、その青は更に深くなっていく。

空を見上げる地上では、刺すような日差しや
コンクリートに蓄積され、跳ね返る熱が地獄のようであるが、頭上に広がる美しい青はなんと爽やかなことか。

太陽からの熱が増すごとに、美しく深くなる青は
生命を奪う、悪魔のようで、こちらを招く天使のよう。

もうひとつ、惹かれる青がある。

海の青

海はどこまでも広く、青く、そして美しい。
空の色を映しているのだから、青い空に惹かれるのと
同時に、海にも惹かれるのは当たり前かもしれない。

空の色を写す海は、太陽からの陽射しという装飾によってさらに美しく映る。
陽射しが並に反射し、キラキラと輝く光景は
どんなに大きく、希少なジュエリーであっても
引き出せない輝きである。

そんな海も、やはり美しいだけではない。
遠くから見ても青く美しい海は、
近くで見ても青く美しい。
そして、海は空と同じぐらい、深いのだ。
海の底は、闇が待っているが、
道中は深い美しい青である。

深い青に飲まれてしまうと、たちまち私たちは為す術なく飲み込まれてしまい、青と同化してしまう。

美しいものは、青く深い。
そして生に近く、天国に近い存在なのかもしれない。

6/29/2025, 3:34:29 PM