「水たまりに映る空」
昼寝から目覚めると、窓の外から光が差し込んでいた。
眠りに落ちる前には、雨音が子守唄となって、微睡みの世界へ導いていたというのに。
季節は梅雨で、ここ暫くは雨続きだった。
久々に日光を浴びたくて、雨上がりの外へでる。
ほのかに香る、雨の匂いは、アスファルトが濡れた匂い、なのだろうか。
ジトりと湿気が身体にまとわりつくが、その反面、
空にはキラキラと太陽が爽やかに輝いている。
道には、そんな太陽の光を反射した鏡のような
水たまりが、さらに世界を明るくするように存在している。
普段はデコボコした、不便に感じる道だが。
雨上がりにはこうして、世界を照らす照明になるのだ。
導かれるように、覗いてみる。
少し歪み、薄らとした色味の自分が映し出されている。
晴れ空の青さまでは、映し出せてはいないが
太陽の煌めきは、その場に落とし込んだように、映し出されていた。
もうすぐ、梅雨も終わるのだろうか、とぼんやり思う。
6/5/2025, 6:03:22 PM