お題「涙の理由」
私は私、あなたはあなた。
その当たり前の事実のもとでは、
私はあなたの全ては理解できない。
当然あなたも私を理解できない。
私は言葉巧みではない。
あなたが求める優しさを、
私はきっと、渡す事はできないだろう。
私もあなたを傷つけたくはない。
傷ついてもほしくはない。
私はそれでも下手をして、
あなたを傷つける可能性さえある。
なぜなら、私がそれをどれだけ防止しようと、
あなたはあなたで、あなたのすべてを分かる事は
決して出来ないからだ。
けれど、それを踏まえてでも
私へ理由を話してくれるなら、
私は耳を傾けるし、私が言えるせめてもの言葉
「今、あなたを一人にするつもりはない」を
言い続ける。
お題「星座」
本物の星座は、未だに見た記憶がない。
アニメなんかでは、家族や恋人と山で星を見る…
なんて輝くようなシーンもあったりするけど、
私の道は、そんなものとは無縁だったと思う。
けれど、いつのまにか星が好きになっていた。
なぜだか理由はわからない。
形かもしれないし、輝いているからかもしれない。
いつも暗く高い空にいて、でもひとりじゃない星。
作り物のプラネタリウムでもいい。
星たちにしか出せないその世界が好きだと思った。
空に還った人は星になるなんて、
どこで聞いたかもわからない言葉。
それがもし本当なら、
プラネタリウムに映し出されるあの星星は
空の住人が、みんなで手を繋いでいるように見える。
お題「巡り会えたら」
きっかけは「同じような境遇だったから」という事。
何がどうしてこんなに距離が縮まったのか、
お互いに必死に生きていたためか、今やもう
ほとんど覚えていない。
いつの間にか出会って、
いつの間にか仲良くなっていた。
気づいたら、もう数年もすれば
出会って二桁の年数になる年にもなっていた。
「生まれ変わり」なんてものがあるのかわからないが
もしもまた新たな物語が始まったときは
また、あなたと「親友」になりたいと思う。
お題「奇跡をもう一度」
リハーサル、僅かな人影を前に流れを把握して
いざ本番の日を迎えた。
幕が上がるその瞬間まで
「頑張ろう」という掛け声に緊張は高まっていた。
足が震え、手も小刻みに震えている。
幕が上がって見えた世界では、たくさんの人の姿と
包み込まれるようにピアノの伴奏と、仲間の声がした
1曲歌い終わる頃には、人前に立つ緊張よりも、
いかにうまく歌いながら、苦手な高さの場所で
体幹を保って立っていられるかを考えていた。
とにかく懸命に歌い、幕が降りる。
ガヤガヤ舞台を降りていくと、たくさんの友達や
過去に担任だった先生がいて「すごかった」と
迎えてくれて、泣いてくれた先生を見て、
「あぁ、やってよかった」と心から感じていた。
お題「たそがれ」
グラデーションがかかった空の下を
何も考えずにゆっくり歩く。
俗に言う「黄昏時」
風もひんやりしてきたのを感じながら、1日にあった出来事を思い起こして歩いていく。
ゆっくりゆっくり時間の流れを感じながら___
明日はどんな空が見れるだろう。