からっぽ

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お題「奇跡をもう一度」

リハーサル、僅かな人影を前に流れを把握して
いざ本番の日を迎えた。

幕が上がるその瞬間まで
「頑張ろう」という掛け声に緊張は高まっていた。

足が震え、手も小刻みに震えている。

幕が上がって見えた世界では、たくさんの人の姿と
包み込まれるようにピアノの伴奏と、仲間の声がした

1曲歌い終わる頃には、人前に立つ緊張よりも、
いかにうまく歌いながら、苦手な高さの場所で
体幹を保って立っていられるかを考えていた。

とにかく懸命に歌い、幕が降りる。
ガヤガヤ舞台を降りていくと、たくさんの友達や
過去に担任だった先生がいて「すごかった」と
迎えてくれて、泣いてくれた先生を見て、
「あぁ、やってよかった」と心から感じていた。

10/3/2022, 2:37:37 AM