お題「雨に佇む」
アニメやドラマのように、
土砂降りの雨の中で泣くなんて、
そんやロマンチックなものではない。
悔しさ、自己嫌悪、絶望感、不安感。
ポツポツと歩く僕の背後には、
そういった感情たちが付いてくる。
止まない雨はないとはよく言うが、
きっとこの空の雨が止んだとしても、
僕のこの感情たちはきっとまだついて回る
お題「安心と不安」
今までずっと言ってほしかったはずの言葉を
たくさんくれたあなた。
一度も否定せず、批判せず
「そうだよね」「頑張ったね」
と言い続けてくれたあなた。
「あなたを信じていいの?」という不安と
「わかってくれる人がいるんだ」という安心。
「どうせ建前でしょう?」と不安をかき消していたのに
「あなたといる」それだけで安心する自分もいて
「あんなことがあって」「こんなことを思って」
そんな話をするたびに「そうなんだね」と
アドバイスをくれたあなた。
そんな夜は決まって
「本当に話してよかったのかな」「嫌われてないかな」
なんて、泣いてしまうほど不安に思った。
あなたと一緒にいると、
一人でいるときよりもずっと安心できるけれど
安心できるほどに膨らんだ風船が弾けると
途端に、嫌われるかもしれない不安に襲われ
嫌われることの方に安心を抱きそうになる。
そうやって、一進一退。
どれだけの人に出会っても、自分は
誰といれば心から「安心」できて
嫌われていないかと「不安」にならないのか
わからない。
心から安心できる場所とはどこでしょう。
どんな場所でしょう。
どうして不安になるのだろう。
本当はもっと、もっと近づきたいのに
お題「夢を見ていたい」
眠ってしまえば辛くない。
眠ってしまえば怖くない。
眠ってしまえばすべて止まる。
不安も辛さも苦しさも。
反対に、眠ってしまえば朝が来る。
朝が来ることが怖くなる。
明日が辛く感じる夜もある。
目が覚めてしまえば、良くも悪くも、
何もかもが動き出す。
「明日は少しでもいい方向に」
そんな希望を託して眠る。
そんな体のどこかでは「ずっとこのまま眠っていたい」と思うものがいる
お題 新年
「初詣どうしようか」と話し合った数日前。
寒い、人が多いなんて文句を言いながら
家族みんなで神社を訪れてお賽銭を納めて。
立ち並ぶ屋台でアメなんかを買って。
数年前はまだ、それがお正月の当たり前
そんな気がしてたのに
数年経った今は、離婚をして
家族みんなが揃うことはもうなくなって。
「初詣行ってきた」と連絡をしてきた友人を羨んだ。
けれどそんなのは小さいことだ。
私は、今の私のそばにいる人と、精一杯楽しく年を越した。
あけましておめでとう、良いお年を。
お題「愛情」
おぎゃあと泣いて生まれてくる命。
生命力に満ちたその命は、
生きるために懸命に母の乳を吸う。
小さな命は、たくさんの手を借りて、
ゆっくりゆっくりと成長する。
どちらも懸命に「生きよう」と戦う。
床が全てだった世界が、
四つ這いやつかまり立ちになって、
やがて一人で歩いて。
私もかつては「生きたい」と足掻き
いろんな大人に守られて、命をつないだはずだった。
いつしか「生きていたくない」と嘆いていた。
「愛情」ってなんですか。
私は愛されているのか、わかりません。
愛されていると思ってたはずなのに、
周りの大人は、あなたの親はいい加減だという。
「一人で寂しくないの?」「かわいそうに」
そんなこと、聞き飽きるほど言われて、
寂しいってなんだっけ?どうして可愛そうなの?
そう思うはずなのに、どうにも目がぼやけるんだ。
「頑張ってきたね」って言われたら
どう返していいのかわからなくて
だけど、一人になった途端、
泣いてしまいそうなほど嬉しかった。
人よりは「愛情」が足りないのかもしれない。
最近になって、そう感じることが増えて。
だけど、今更それを取り戻せなくて
今も心の中で、誰かが泣いている。