からっぽ

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お題「愛情」

おぎゃあと泣いて生まれてくる命。
生命力に満ちたその命は、
生きるために懸命に母の乳を吸う。

小さな命は、たくさんの手を借りて、
ゆっくりゆっくりと成長する。
どちらも懸命に「生きよう」と戦う。

床が全てだった世界が、
四つ這いやつかまり立ちになって、
やがて一人で歩いて。

私もかつては「生きたい」と足掻き
いろんな大人に守られて、命をつないだはずだった。
いつしか「生きていたくない」と嘆いていた。

「愛情」ってなんですか。
私は愛されているのか、わかりません。
愛されていると思ってたはずなのに、
周りの大人は、あなたの親はいい加減だという。

「一人で寂しくないの?」「かわいそうに」
そんなこと、聞き飽きるほど言われて、
寂しいってなんだっけ?どうして可愛そうなの?
そう思うはずなのに、どうにも目がぼやけるんだ。

「頑張ってきたね」って言われたら
どう返していいのかわからなくて
だけど、一人になった途端、
泣いてしまいそうなほど嬉しかった。

人よりは「愛情」が足りないのかもしれない。
最近になって、そう感じることが増えて。
だけど、今更それを取り戻せなくて
今も心の中で、誰かが泣いている。

11/28/2022, 5:15:24 AM