お題「きっと明日も」
自分なんてはじめからいないほうが良かった。とか、
自分がいる必要ってどこにあるんだろう。とか、
庭に腰を下ろし、ぼんやり考えていた。
「きっと明日もこうなんだ」と思っていた。
けれど、それは違ったのだ。
やまない雨はないと言うように、ずっと同じ日々
なんてこと絶対にはないはずだ。
時間は過ぎるし、年だって取る。
時間が過ぎるから町並みも変わる。
変わらない人間もきっといないだろう。
何を考えたって、結局は
自ら旅立つ以外に選択肢はないのだ。
何かが動くとき、不安になるのは当たり前だ。
だからこそ、その不安を抱きしめて、
明日こそ変わってやるぞ、変えてやるぞ。
そんな気持ちで、私は動き続ける今を生きている。
お題「静寂に包まれた部屋」
真っ白く、まるで体に布が被せられているような感覚
誰の声も遠く、今自分がここにいるのかも危ういほど
全てに疲れてしまったんだ。
呼吸さえ煩わしく、重力も恨めしい。
そんな自分にとって、今この空間は、とても楽なんだ
自分の中に創り上げた、自分だけの部屋。
誰も、ここに入ることはできない。
お題「別れ際に」
友達と数時間遊んで、
楽しかったこと愚痴ったことを思い出しながら、
自転車を漕ぐ友達の姿を見る。
「じゃあ、今日はありがとうね!」
「こちらこそありがとう!気をつけてね」
そんな些細なやり取り、遠ざかっていく友人の背中。
「ありがとう」と言ってくれたその言葉
「気をつけて」と言ってあげられる相手がいること
当たり前のことかもしれないが、
そんなやり取りをする時間は私は好きだった。
家に入ったら、私はまた一人に戻る。
だからこそ、誰かと些細なやり取りをすることが
なんでもないことを言い合えるのが好きなんだ。
お題「通り雨」
突然振り始めた大粒の雨。
次第に辺りにペトリコールの匂いが広がった。
「うわぁ、ビチョビチョになるじゃん」と、
思わずぼやいていた私に、
横を歩いていた貴方は笑った。
「いいじゃん、堂々と濡れられることなんてめったにないんだから!楽しんじゃえば」
ハハッと笑い、
まるでスキップをするように歩いている貴方を見て
私もなんだか楽しくなって。
止まない雨はない。いつか止まるこの土砂降りを、
今は精一杯笑ってやろう。
お題「秋🍁」
暑すぎるわけでもなければ、すごい寒いわけでもない
汗っかきの自分にとっては一番好きな季節。
どんぐりや松ぼっくり、枯れ葉
公園を一度歩けば、たくさん秋の名物が転がっている
リスがかじったあとの松ぼっくりは、
まるでエビフライみたいでおもしろいし
千差万別のどんぐりは、一つ手を加えるだけで
かわいらしいコマになる。
秋には美味しいものもたくさんだから、
みんなでやきいもをするのもいいかもしれない。
そんな一瞬で駆け抜けてしまう秋が、大好き。