お題「窓から見える景色」
「この枯れ葉が落ちたら私の命も」なんて
そんなヒロインを気取るつもりはない。
「死ぬときは死ぬ」と思い始めたのはいつからだろう
そう思った途端、諦めがついたようでいて
「生きたい」と願う自分もいる。
チュンチュンと鳴く鳥が羨ましくて胸がざわつく。
小さな病室の窓の外は、もったいないほど青く、晴れていた。
お題「形のないもの」
少年の心はいつも空っぽだった。
けれど彼は気づかずに、懸命に生きている。
心のどこかで「愛されたい」と願う自分に蓋をして。
少年はいつも必死だった。
幸せになりたいと、いつも何か行動を起こしていた。
けれど、ふとわからなくなってしまうことがある。
「愛される」とは
「幸せになる」とは
どういうことなのか。
実態のないものに、彼は必死に近付こうとする。
お題「ジャングルジム」
自分の体よりも大きなジャングルジム
四肢を使って懸命に登っていたあのジャングルジムが、今や少し小さく見えて。
落ち込んだ夕暮れに、
ベンチに座って眺めたジャングルジムは
日が傾くごとに、じんわりじんわり影が長くなって、
歪んで大きく見えるんだ。
その光景を見て「あぁ、時間が経っているんだ」と
年月を感じさせられた。
お題「声が聞こえる」
心が折れそうでも、負けそうでも
どうにかこうにか立ち止まっているとき
「頑張れ」とか「もう少し」とエールをくれた記憶が
蘇ってくるときがある。
「そんなこと言われても出来ねぇよ!」と
切れてしまいそうなときもある
でも、その反骨精神で乗り越えられた夜があるのも事実だった。
お題「秋恋」
一面に広がる紅葉
同じようでいて一つ一つ違う葉っぱを眺め
「君は今何を考えているだろうか」と上の空になる。
人間も紅葉と同じように、同じように見えて全部違う
僕と君も違う、だからこそ惹かれた。
君は僕の気持ちに気づいているだろうか。
ヒューっと吹いた少しひんやりとした風に、
そんな思いを乗せた。