ミントチョコ

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3/9/2024, 1:11:17 PM

題 過ぎ去った日々

時はあっという間に過ぎ去っていく。
彼に告白されて付き合って
沢山楽しく過ごしてた

それでも別れの時がやってくる。

どうしてだろう。あんなに楽しかったはずなのに
今は側にいるのが居心地悪くて。

話すだけでお互いをお互いがトゲで刺す。
出会った頃のように時間を忘れるくらい
楽しい会話なんてどこにもない、

だから私達は別れを選択するしかなかった。
一緒にいても幸せじゃないと感じたから。

もしどこかの選択肢が違っていれば
私の彼への想いがもっと強ければ

私達はまだ笑顔で過ごせていただろうか。
こんな風に一緒にいることすら嫌な関係には
ならなかったんだろうか。

彼にそんな問いかけを出来ないくらい
険悪な空気にため息をつく。

さよなら、と別れの言葉を告げて
決してやり直しの出来ない関係は
簡単に壊れてしまったんだ

振り返る事もなくあの日の幸せな片鱗は崩れ落ちて
私達はそれぞれ、いつもの日常に戻っていくんだ

3/8/2024, 11:37:00 AM

題 お金より大事なもの

大事なの、あなたのことが。
だから、絶対に誰にも譲らない

私は豊を見てそう考えていた。
頑張って頑張って付き合ってもらえた彼氏。

だからこそ、誰が奪いに来たとしても死守するよ。

「どうしたの?」

甘やかな優しい声で言う豊。
黒髪はつややか、甘い端正な顔つき、スラリとしたスタイル。

私と付き合ってもらえたなんて未だに信じられなくて。
私だって頑張って自分を磨いて、磨いて沢山頑張ったけど。
それでも、あなたに手が届くとは思ってなかった。

「ううん、豊っていつ見ても素敵だなって」

私はニコッと笑ってそう言う。

「ありがとう。君もきれいだよ」

豊は私に美しい顔で囁くように言う。
それだけで、私は天にも昇る心地だ。

「豊、私あなたのこと一億で諦めてって言っても諦めないよ。100億でも、100兆でも諦めない」

「君にそう言われると嬉しいな」

豊は、私の手に自分の手を重ねた。

「僕も、君のこと、何億積まれても諦めたりしないよ」

「あ・・・うん・・・」

いざ、自分が言われると、破壊力が凄い。
豊の美しい顔を見ながら、私はくらくらとめまいを覚える。

「君と付き合えて、僕は幸運だよ」

「豊っ、もうそれ以上言わないでっ」

私は言葉の破壊力にダメージを受けて懇願する。

「私が豊の言葉に弱いの知ってるでしょ・・・」

上目遣いで豊を見ると、彼はフフッと笑って微かに首を傾げた。

「知ってるけど、君の反応見るのが好きだから」

私の顔が一気に真っ赤になる。
ちょっと意地悪な所も大好きだ。
負けっぱなしだなぁ。

恋愛に勝ち負けはないかもだけど、豊には一生勝てる気がしないと思ってしまった。

ニコニコと笑いかける豊を見ていると自然と私も笑みがこぼれる。

負けてもいいや。

そう思って、顔を上げると私は彼の大好きな顔を心ゆくまで鑑賞したのだった。

3/7/2024, 2:34:08 PM

題 月夜

月が見える

綺麗な淡い光

スウッと光が優しく伸びて世界を少しだけぼんやりと照らす

歩いている私は月を見て癒やされる

月には癒やし成分が入っているのかな

疲れている時には月の光を見ると無性に泣きたくなる

ただそこにいてくれるだけで

私を慰めてくれる

ただそこから光を投げかけてくれるだけで

私は立ち止まって永遠にその優しい光を浴びていたくなる

何もかも洗ってくれるようで

心が少しだけ綺麗になったような気がするから

ぼんやりとしたクリーム色の光に包まれて

今夜も私は目尻に涙を浮かべて月をただ見上げている

3/6/2024, 12:36:20 PM

題 絆

ずっとあなたと一緒だった
だからこれからも一緒だと思ってたのに

「俺、彼女出来たんだ」

笑顔で言うあなた。幼馴染としてそばにいた私の気持ちには気づかず、あなたは他の子を選んだんだね。

「そっ・・・か。そーなんだ。先越されたなぁ〜」

私は精一杯笑顔を作る。引きつった笑顔なんだろうなぁ・・・。

「大丈夫、奈美もすぐ出来るよ」

考えてもいないんでしょ。私があなたを好きだったこと。
これまでの絆ってなんだったんだろう。
沢山過ごしてきても、恋人が出来たら一番大事なのはその子になってしまう。

「私は・・・当分いいよ、でも、裕貴とも遊べなくなるね、彼女が出来たら」

私は思わず当てつけがましいことを言ってしまう。

「え?何で?」

裕貴の返答に私は当惑した。

「え?逆に彼女が嫌でしょ、他の女の子と遊ぶとか」

私は当然の返答をした。私だって、私の彼氏が他の女の子と遊ぶなんて嫌だ。

「ええ〜そうかな〜?そういう事言う彼女なら俺、別れるよ」

「は?」

私は思わず聞き返す。そんな簡単に別れられるくらいな気持ちなの?

「あのさ、念の為に聞くけど、どういう経緯で付き合ったの?」

「え?告白されて、俺は別に好きじゃないけどって言ったらお試しでいいから付き合ってって・・・」

最低だ・・・。

「ちょっと、好きでもないに付き合うの?おかしくない?」

「いや〜、俺も断ったんだけど、押されに押されてさ。でもなー。奈美と遊べなくなるのは嫌だな。やっぱ明日断るわ。女子ではお前と遊ぶのが一番楽しいし、今んとこ彼女とかいらないや」

「あ、そ、そう・・・」

私はさり気なく言ったけど、内心はドキドキと嬉しさが止まらなかった。
この分じゃ、恋愛感情とかまだ無縁なんだろう。

それでも、もう他の子に取られるのは嫌だった。

だから・・・

「覚悟してよね」

私が裕貴にそう言うと、裕貴は、え?と首を傾げる。

「なんでもな〜い」

そう言いながら明日から裕貴にアプローチ頑張る、と決意したのだった。

3/5/2024, 12:20:50 PM

題 たまには

「ねえ、たまにはこっちの道から帰ろーよ」

デートの帰り道。私はいつも帰る道とは違う道を指さした。
だってまだ離れがたい。少しでも遠回りしたいから。

「えー、何でだよ」

私の気持ちを汲んでくれることもなく、彼氏は不満気な声を出す。

「いいじゃない、たまには、ねっ?」

私は強引に彼氏の腕に自分の腕を絡めると、遠回りの道にグイグイ引っ張っていった。

「ちょっと、引っ張るなよ」

彼氏はブツブツいいながら、私に引っ張られるままだ。
少し行くと、自販機があった。私が好きなキャラのコラボのイラストが書かれたジュースが売っている。

「ああっ、これっ!!!」

今店頭では売り切れ状態だから、私は興奮して自販機に貼り付く。
彼氏がゆっくりと自販機に近づいて来た。

「これか、菜乃花好きだよな。このキャラ」

「うんっ、好きどころか愛してるよ!!もーここで会えたなら死んでもいいっ!!」

私が興奮しながら財布を取り出しているのを見て彼氏は呆れ顔。

「死んでもいいって・・・大げさだな」

「あるだけ買っちゃお〜っと♪」

「おいっ、そんなに買っても持てないだろ」

自販機のジュースを買い占めようとする私を彼氏は必死に止めて、渋々3本で我慢する。

3本のペットボトルを抱えてニコニコした顔で私は彼氏に笑いかけた。

「やっぱり、たまには違う道もいいよねっ」

私が、ニヤニヤしてコラボジュースのイラストを見ていると、彼氏がボソッと言う。

「俺よりそのキャラの方が好きみたいだな」

私はその声を聞き逃さなかった。

「もしかしてヤキモチ?可愛い〜」

彼氏の言葉に胸がキュンとする。

「違うって。そういうつもりじゃ・・・」

彼の否定の言葉を遮るように、私は彼のホッペにキスをする。

「大丈夫、あなたがいつも一番好きだから。心配しないで」

私の笑顔に、かぁぁと顔を赤くする彼氏。

「心配なんかしてないしっ」

そう言いながらも、私のペットボトルを3本とも回収して自分で抱える。

「あ、あああっ」

私が悲痛な声を上げると、彼氏は私を見て拗ねたように言った。

「これは、家につくまで俺が預かっとくから、家に帰ってから見ろよ」

「うん、分かったよ」

それでも、彼氏が妬いてくれたのが分かったので、嬉しくて、思わず頬が緩む。
私は彼氏の横に並ぶと、「行こっか?」と、いつもとは違う回り道を存分に楽しんだのだった。

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