あなたの背を見て思う。
何故、そこまで自分を追い詰めて、領民を優先するのだろう。
何故、多くの孤児と家族、同じ一族の家々に強いてまで、
この国の安寧を保つのだろう。
この国は極めて裕福で平和で、領民は思想、宗教、出生を問わず、
その恩恵を享受することが出来る。
楽園、そう呼ばれるに相応しい素晴らしい国だと思う。
しかし、その恩恵の背景には多大なる犠牲が伴っている。
公爵家の人々は、その基準に満たなければ処刑され、
武器や道具などと呼ばれる最下層の人々が、年齢の近い彼らの側近が、
彼らの名前など全てを受け継ぎ、成り変わってしまう。
武器は、幼き頃から他国へ戦争をする。
道具は、幼き頃から他国へ密偵をする。
武器と道具は、多くが幼くして命を奪われる。
その中から成人し、公爵家の人々の側に仕えられる者は本当に僅かだ。
公爵家の人々も大半が武器か道具に成り変わられる。
絶対的なルールと、それにより選ばれた優秀な人々による統治。
そうして、生まれた完璧に等しい国。
確かに、この国の人々は幸せだろう。
しかし、到底口には出せないが、とても歪だと思う。
ここまでの犠牲を出しながらも、多くの人々が尊重される国。
そして、あなたは辛うじて生き残った。
あなたは、常に領民を想う。
あなたは、常に情勢に気を遣う。
それ故、あなたの身体はもうボロボロだ。
毎日のように薬を飲み、辛うじて生きている。
どれだけ、お願いしても、あなたは身を粉にして働き続ける。
先日、彼の大国で革命が起こり滅ぼされたように、
このままでは、この国は制度疲労を起こして滅んでしまう。
あなたと最下層の人々の負担を、少しでも減らしたい。
どうしたら、この国の安寧の犠牲を終わらせられるのだろう。
「これだから、人間は。」
金色の瞳の者は、吐き捨てるように言う。
「そのように人間と括るな。」
碧色の瞳の者は、金色を警告する。
「気持ちは分からなくも無いけど、その言い方は語弊を招く。」
銀色の瞳の者は、金色に共感しながらも、碧色を擁護する。
「われらが多様であるように、人間も多様だと私は思う。」
藤色の瞳の者は、丁寧に意見を述べる。
彼らの容姿は、まだ二十歳、そこらのように見える。
しかし、その雰囲気は歳を重ねた賢者のように威厳に満ちていた。
彼らが揃うと、それはまるで神々の会議のようだった。
「さあ、どう裁く。この人間たちを。」
金色は、冷酷な笑みを浮かべ、皆に問う。
「この管轄は、人間だろう。
われらが口出しすべきでは無い。」
碧色は、無表情で答える。
「しかし、この度の件はわれらにも被害が及んだ。
ならば、多少圧力を掛けるべきでは。」
銀色は、少し怒りの籠もった声で答える。
「この度の件、確かにわれらに被害が及んだ。
しかし、私の管轄には被害報告は無い。
私としてはもう少し全容の詳細を把握し、
思考を巡らす余地があるように思う。」
藤色は、冷静に穏やかに答えた。
「私は、即刻死刑に処すべきと考える。
戸籍ごと存在しないことにすべきだ。」
金色は、率直に述べた。
「貴殿の管轄に最も多くの被害が及び、
尚且つ、我々にも被害が有った事で、
今回の会議を開く事となった。」
碧色は、述べる。
「前置きは良い、さっさと貴殿の意見を述べよ。」
金色は、苛立ちながら述べる。
「まあ、そう焦らさなくとも。
そのように苛立てば人間のように愚かになる。」
銀色は、金色を諌める。
「しかし、この度の件はかなり複雑のようだ。
ここは、互いの得意とする分野ごとに分担しよう。」
碧色は、提案する。
「私は、その提案に賛成する。
金色は被害報告の内訳を、碧色は事の発端の解明を、
銀色は関係者の聴取を、私は人員を貸しましょう。
そして、私は全容をより明確に把握する役も担いましょう。」
藤色は、碧色の提案を具体的に述べた。
「異論は無い。」
銀色は、同意する。
「処罰対象の断罪及び刑罰は、私に最終決定権が有るなら異論は無い。」
金色は、同意を示すが、条件を付け加える。
「私の管轄のみに被害を齎した場合以外なら、貴殿の意見に賛同しよう。」
碧色もまた、同意を示すが条件を付け加えた。
「私は貴殿らが提示した条件及び、その提案に賛同しよう。」
藤色は、賛同を示した。
「私も賛同する。」
碧色は、賛同を示した。
「私も先ほどと同じく、賛同する。」
銀色もまた、賛同を示した。
「私も異論無く、右に同じく賛同しよう。」
金色は、賛同を示した。
気が付けば、夜は明けていた。
彼らは、同意書にそれぞれ署名し、シーリングリングを押した。
風の噂で、この度の件は解決したと聞いた。
彼らと人間、
双方共に禍根を遺さず、
双方共に合意を得た、最適解を導けたようだった。
You can't understand me for ever.
Indeed, we were in hell.
However,you are not is here.
Strictly speaking, you are indeed here.
But you were in a different environment than I was.
I could not live as purely as you.
This is the difference between a legitimate child and a bastard.
So,you can't understand me for ever.
I laugh.
No matter how frustrating or painful it is, I will smile.
So,don't be kind.
I'll be fine, so please trust my word.
You know that I am not the kind of person who dies from overwork.
I suppose shadows it happens to anyone.
However many fear that others will see their shadow.