美しく、立ちはだかる。
貴方のような人に、私は成りたかった。
貴方のように、底知れぬ強さが欲しかった。
貴方のように、飾らぬ心が欲しかった。
貴方のように、整った容姿が欲しかった。
貴方のように、自分自身に素直に生きたかった。
そう、まるで日の出のように……貴方は眩く、美しい。
『悠々自適』
それが、私の今年の抱負です。
去年は、かつてのように出来ぬことを実感した一年でした。
やはり、以前なら容易く出来たことが……今の私には出来なくなりました。
悪戦苦闘の日々が四年間も続いており、五年目に差し掛かりました。
正直、もう悔しいくて、悲しくて、嫌に成りました。
自殺も考えた時期があるほどに……。
しかし、この経験を通して、得たものもとても多いのです。
本当に自分の価値観が大きく変わりました。
それからは、本当に生きることが楽になりました。
「生きることを選んで、本当に良かった。」
と、今なら……胸を張って言うことが出来ます。
新しい年が訪れる。
今年は、どんな新しい風が吹くのだろう。
嵐のように激しい風だろうか?
それとも、そよ風のように穏やかな風だろうか?
どんな温度の風だろう。
吹雪のように冷たい風だろうか?
それとも、春一番のような暖かく涼しい風だろうか?
それが楽しみで、愉しみで、仕方ない。
どちらにしろ、帆船のように風に乗り、その風の分だけ進めるだけ。
そして、私の座右の銘『悠々自適』に従い、今年も努めてゆこう。
之からも精進して参ります故、今年も宜しくお願い申し上げます。
又、一つ歳を重ねました。
もう、そろそろ死期が近付いてきているのを感じます。
原来、私は体調を崩しやすい身ですから、同志より寿命が短いのでしょう。
やはり、死とは恐ろしいものです。
若き日は『死にたい』とよく思っておりました。
いざ、死期が近付いていると感じますと、
其れはそれは……本当に恐ろしいものです。
やはり、体感してみないと分からないものですね。
その立ち場ゆえ、死ぬことを許されなかった生涯でした。
しかし、今思うと其れが良かった。
そのお蔭で、私の人生は満足のゆくものと成りました。
もうすぐ、年が明けます。
いくら、私は死期が近付いて来ようとも
……生きることを諦める訳には参りません。
又、年が明ける瞬間を見守ることが出来るよう、之からも精進して参ります。
甘い、みかん。
すっぱい、みかん。
私は、すっぱいみかんの方が好きだ。
そのことを上司に言うと、疲れてるだけじゃない?
僕は、甘いみかんが好きだな。
と、辛辣な意見を頂いた。
うん。あながち間違いでは無い。むしろ、心当たりがある。
本当にそういうことなのだろうか?
疲れていると、酸味は感じにくいらしい……。
えっ、嘘だろう。
もしかして、すっぱいものが好きだったのは……。
やめよう。
私は、単純にすっぱいものが好きなのだ。
それに、すっぱいものが好きな人にも失礼だし……。
うん、上司は甘党で酸味があるものを好まないからに違いない。
うん、きっとそうだ。そうに違いない。
ちなみに、『甘いみかん』と『すっぱいみかん』どっちが好き?