#07 友だちの思い出
くだらない話で、いつまでも笑ってた。
喧嘩もしたし、失恋話に泣いたりもしたっけ。
それぞれの生活環境が変わって、連絡先は知っていても、段々と連絡も取り合わなくなったけれど、それでも、ちゃんとあの頃の私達を思い出せる。
また会おう。
#06 星空
流れ星落ちてこないかな、なんてぼんやりと眺めていた。
今日ぐらいは、明日の事とか、もう少し先の事とか、なにも考えない。
もちろん、君のことも。
そう言えば、星を買えたらいいね、なんて話しを前にしたよね。でも、お互いにそれ程興味がなくて、そんな話は立ち消えになったけれど。
守れなかった約束は忘れた方がいいよって、君は言ったけど、僕は今も忘れられなくて、ずっと手に握ったままでいる。
きっと、君はもう忘れているし、僕のことを思い出すこともないんだろう。
いつか君と見たかもしれない星空を見上げて、ようやくさよならと言える気がした。
#05 神様だけが知っている
あなたなんて大嫌い、だと口にした。その裏に隠した本音なんて、神様だけが知っていればいい。
強がりの意地っ張りなんてちっとも可愛くないのにね。
私には似合わないくらい、彼は優しい人だった。
ごめん、なんて今更だけど。
ほんの少し悔しいけれど、ちゃんと幸せになってね。元気で。
#04 この道の先に
ここからじゃ、まだ何も見えないけれど、進んだ先にはきっと何かはあるのでしょう。
何かひとつ、宝物を持ち寄って、いつかまた会いましょう。
この道の先に、私たちが信じた何かがあると、強く願って。
#03 日差し
いつの間にか季節は巡っていた。
あなたが居ない事にも慣れて、それはそれで、それなりに快適な毎日だったように思う。
ほんの少し背伸びして買ったワンピース。憧れだったピンヒール。覚えたてのメイク。
それらも全て、あなたの為だと言えば、きっと面倒な女だと思われるんだろう。
もう、日傘はいいかな。
私は私のままで歩く。
今日の日差しはやけに痛い。