しがないjc

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8/6/2024, 3:25:35 PM

太陽

太陽が登って、
そして沈む。

夜が明けて、
そしてまた夜がやってくる。

帰ったら君がおかえりと言って、
俺がただいま、と言う。

こんな事、当たり前でしかない
当たり前であり、日常であり。

そう思っていたのに、
現に今、ただいま。と言って返ってくる言葉はない。
君が居ない部屋なんて、ずっと夜みたいに暗くて。

今思えば、
君が出迎えてくれるのも、
君が朝起こしてくれるのも、
君が料理を作ってくれるのも、
ちっぽけなように思えてたことも、
全部全部、奇跡のようなものだったのかもしれない。

そうは思っても君は帰ってこない。
俺は、誰もいない暗い部屋にごめん、と零した。

でも、返ってくる言葉はもうなかった。




8/5/2024, 1:17:50 PM

鐘の音

鐘の音が僕を起こす。
それが毎朝の習慣。

鐘の音が鳴り止む、
そうすると、君はいつも窓から顔を出す。
「リンッ」
鈴の音がする。
それを合図に挨拶をする。
「おはよう」





8/4/2024, 2:32:05 PM

つまらないことでも

「つまらないことでも、地道にやって行けば、必ず成功するんだよ。お母さんは見てるからね」
8歳の時に母さんが言ってくれた言葉、母さんは覚えてるかな。
ずっと会いにこれなくてごめん。
今、俺はずっと夢だった教師になったよ。
子供たちは皆良い子でさ。
母さんが言ってくれた言葉がなかったら、今の俺はないよ。ありがとう。
それに、俺結婚したんだ。息子も産まれた。お義母さんもお義父さんも優しい人でさ、
俺毎日が幸せなんだ。
なのに、なんか涙が出てくるんだよ
母さんが死んでからもう何十年も経ってるのに
おかしいだろ?
ごめん、子供が呼んでる、また近々会いに来るよ
母さん。









8/3/2024, 2:28:42 PM

目が覚めるまでに

目が覚めるまでに、君は居るだろうか?
眠るときは一緒でも、結局朝には君の姿はない。
いや、きっと今日もいない。
仕事なのか、
はたまた、違う男の方…
いや、それは考えたくない。

俺の何がダメなのか。
君の言うことは全てやってきたはずなのに。

俺に必要なのはなんなのか。
プライベートのことを聞く勇気、
行かないでと言えるワガママ精神、

その前に、告白できないような男には振り向かないか。

そんな事を考えていると、
さっき起きたはずなのに夕方から夜になる。

するとチャイムが鳴る。
鳴ると同時に俺の鼓動も跳ね上がった。
気分の高ぶりを抑えて起き上がると、宅配だった。
こんなの、俺がイヌみたいじゃないか
まぁイヌか。
宅配はそっちのけで俺はまたベッドに寝る。
今日はいつもより夢が見たい。

君がずっと隣にいる夢を。







8/2/2024, 4:08:24 PM

病室

こんなに夜が冷たかったなんて、
こんなに夜が寂しかったなんて、
考えたこともなかった。

なんで早く気づけなかったんだろう。
君はとっても優しかった。
だから俺に心配を掛けたくなかった。
考えればわかる事、なんで早く気づかなかったんだろう

君にとって俺はなんだったのか?
君のことを当たり前だと思っていた、
居なくなるだなんて考えたくなかった。
いや、考えもしなかった。

俺は泣きながら、冷たい君を抱きしめた。
「愛してる」
そう言うと、いつものように耳元で
「愛してる。」
君の可愛らしい声で、
そう聞こえたのは気のせいだろうか。

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