踊るように、心がうごきまわる
音楽にあわせて、
リズムにあわせて身体が動く
何を考えているの?
そう聞かれても、分からない
ただ音にあわせて、勝手に身体が動くから、
踊りつづける
勝手に身体が動く
音楽とリズムだけは裏切らない
踊る時の汗は、わたしの心の涙なのかもしれない
時計をみる。
1秒1秒を正確に知らせるそれは、
今の私にとっては焦りの象徴でしかない。
いつまでたっても成長の出来ない自分。
第三者から伝えられる自分自身の欠点。
あと何回、繰り返せば変われるのか。
また大嫌いな時計に時を告げられる。
涙が流れる。時も流れる。
時間だけは平等だ。
あとは自分次第。
時間の流れは残酷だが、それと同じくらい優しいのかもしれない。
貝殻って色んな形あるよね
学校の帰り道にぼそっと呟くように彼女は僕に言った。
海辺に近い学校で当たり前のように一緒に帰る彼女。
僕の片思いの相手だ。
これは穴が空いてるよ、ちょっと痛そう
笑顔で貝殻を拾っては僕に感想を言う。
僕は特に何も言う訳でもなく、波と彼女の音を心地よく受け入れる。
いくつか拾ってきた物を彼女が僕に渡す。
両手で受け取る僕を見て彼女はまた笑う。嬉しそうな幼いえくぼがたまらなくて、慌ててポケットに詰め込む。
そろそろ帰ろう、と足早に進む。
ポケットの貝殻の数を感触で数える。
1、2、3、………あと8個。
今まで貰った貝殻の数とあわせてみる。
あと8個受け取ったら彼女に告白をしよう、なんて。
もうそろそろ片思いから抜け出す準備をしなければ。
そう意気込んで帰り道を進む。
後ろで彼女は小走りで隣に並ぼうと頑張ってる。
そんな姿を見て、僕は歩幅を小さくする。
明日も晴れるといいね、彼女は笑う。
僕もつられて笑う。
明日も晴れますように。
ビー玉になぜか惹かれる
サイダーの瓶のビー玉が大好きで、
いつもねだってた
頑張っても取り出せないから悔しくて泣いた
瓶の中でコロコロ転がるビー玉
少し重たそうな音が耳に心地よい
太陽にかざすとキラキラしていて、
幼いわたしには星を手に入れたように思えた