今日の夢のミッション。
昔、学校で一緒に学んだAとB、
先生のCとともに、
「コイン」を手に入れること。
夢と接続すると、
俺は急いでコインが隠されているという
街の中央階段へ急ぐ。
階段に記された文字や、記号、数字を、
読んだり当てはめたり、並び替えたりする。コインは見つからない。
そんなことをしていると、
夢の時間は早い、日が暮れ出した。
「…クソ」
また今日もミッションは失敗か…?
「D」
声を掛けてくれたのはCだった。
「私は何のためにここにいる?
そしてAとBも」
Cの後ろに、
所在なさげなAとBの姿があった。
俺ははっとした。
「協力 を学ぶ為…」
「そう、それを学ぶのが
今日のミッションだったはずだ。
それを思い出しただけでも良かった。
さあ、戻ろう」
接続が切れた。
少年院房213-D。
目が覚めると、今日のミッションは…
畑仕事。
水耕栽培のレタスの収穫だ。
また今日が始まる。
私の当たり前
夢は願えば全て叶う。
…いや、寝てる時見る夢のこと。
明晰夢というらしいけど。
夢で、あ、コレ夢だ、と気づいて、
お菓子食べたい!デパ地下に!と思うと
場面が変わってデパ地下にいる。
お菓子食べ放題。タダ。太らない。
惜しいことに、味がする時と、
しない時があるのが課題か。
あと、明け方の夢の中で、
ストーリーや散文や詩を
考えていることがある。
大抵映像付き。総天然色。
起きると忘れないうちに、
ノートに書き留める。
さすがに夢だけあって、
ストーリーが破綻している時があるのと、
寝入りばなにコレがあると、
考えすぎて眠れない時があるのが困りもの。
これが私の当たり前。
街の明かり。
明かりに照らされる
その下に広がる
悲劇
喜劇
一人芝居
群像劇
明かりが消えた後
残るのは
人々の涙
飲みかけのシャンパングラス
脱ぎ散らかされた靴
散りゆく花
明かりが消え
人は眠り
また朝日に照らされる。
繰り返す人の営み
街が動いていく。
七夕
年に一度しか逢えない人。
願いを下げた竹。
浴衣。
夜市。
子供の頃、夜市のある日は、
学校から帰ると、風呂に入らされ、
湯上がりに浴衣を着付けた。
肌に、浴衣の衣の当たる皮膚感覚。
着付ける部屋の西日の微妙な暑さ。
ふわふわとした赤や黄色の帯が嬉しくて。
夜市そのものの記憶より、
この時の思い出の方が何故か
心に残っている。
冬。
友だちの家の、庭のたらいの水も凍る頃。
友だちと、氷を集めて紐を通し、
庭木に吊るしてゆく遊び。
陽(ひ)が上がるにつれて、氷が溶け
紐を残して、
最後、カシャーン…と落ちる。
その音が響く縁側。
一緒にお菓子を食べながら。
友だちの思い出。