Yushiki

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10/2/2023, 10:13:32 PM

 君と出会えたことが僕の人生で起こった一度目の奇跡だとしたら。
 君と出会ってから起こった全てのことが。
 僕にとっては二度とない奇跡みたいなものだった。

 もし、奇跡をもう一度と願っていいなら。
 やっぱり僕は生まれ変わっても。
 また君とこうして出会いたい。



【奇跡をもう一度】

10/1/2023, 10:22:30 PM

「ねぇ、パパ。たそがれってなーに?」
「そうだなぁ~、僕たちを照らしてくれていた昼のお日様が、夜を連れてくる時間帯のことかな」
「お日様がお仕事をお月様に交代するの?」
「・・・・・・ん、まぁ、そういうことかな」
「それじゃあ今度たそがれの時間のお日様に会ったら、お疲れ様って言ってあげなきゃね」


 そう告げる我が子はどこか決意したように頷くと、こちらの疲れが吹っ飛びそうなほどの眩い明るさで、ニカッと笑った。



【たそがれ】

10/1/2023, 6:38:21 AM

 きっと明日もいい日になるよ。
 何てたって君の側には、いつだって私がいるんだもの。

 だから、ほら。前を見て。
 大丈夫。
 ほんのちょっとの失敗くらい、一緒に笑い飛ばしてあげるから。



【きっと明日も】

9/30/2023, 4:32:48 AM

 ひとりぼっちは寂しいって。
 たまにふとそんな気持ちが湧く時もあるけれど。
 誰もいない私だけの空間に。
 膝を抱えてぽつんと蹲りながら。
 どこか冷めた静寂に包まれる時間が。
 生きるためには私には必要で。
 だからこの部屋は。
 私にとってのひとつの居場所。



【静寂に包まれた部屋】

9/28/2023, 10:22:16 PM

「じゃあな」と言って、互いに手を振る。

くるりと背を向けて、前へと踏み出した。

数歩ほど行ったところで立ち止まる。

別に示し合わせていた訳でもない。

それでも後ろを振り返れば。

あいつも同じようにこちらを振り向いていた。

俺たちは同時に吹き出して一頻り笑う。

そうして次の言葉がまるで分かっていたかのように、二人して高々と開いた手のひらを天へと突き上げ、大きな声で叫んだ。


「「またな!」」


いつかまたこの世界のどこかで会おう。

それが別れ際に交わしたあいつとの約束だった。



【別れ際に】

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