作品No.244【2024/11/30 テーマ:泣かないで】
〝わたし〟の涙を指で拭って、あなたは言う。
『泣かないで』
もう何度この台詞を、見て、聴いただろう。それでも、あなたの台詞に、私は何度も心が救われる気がしている。
あなたは、この世界に存在していないのに。いや、だからこそ、私の胸をうつのだろう。
作品No.243【2024/11/29 テーマ:冬のはじまり】
半袖で過ごせなくなってきたり
布団の中が冷たかったり
指先が冷えたり
この島にもようやっと
冬が訪れたようです
作品No.242【2024/11/28 テーマ:終わらせないで】
※半角丸括弧内はルビです。
冬柚希(ふゆの)が、俺の手を摑む。ひんやりと冷たい手だった。
「終わらせないで」
その一言を冬柚希が発した瞬間、俺の意識は覚醒した。
「夢……か?」
そう呟いてから、当たり前だ、と気が付いた。冬柚希はもう、いないんだから。
わかっているのに、手には、冬柚希の冷たい手の温度が残っていて、俺は現実味のない場所にいるような気がしてしまう。
冬柚希に会いたい。冬柚希の元にいきたい。
何度そう願っただろう。
「冬柚希は、それを願ってないんだろうな」
あの言葉は、そういう意味なのだろう。それでも俺は、多分繰り返すのだと思う。
己の命を、自ら終わらせる——最愛の人が望んでいない行為を、この先も。
作品No.241【2024/11/27 テーマ:愛情】
愛情って何だ?
無償だとかいうけど
本当にそうか?
見返りを求めてはいないか?
それ以前に
無尽蔵に湧くものでもないだろう
すきなモノに飽きては
また別のモノをすきになる
そういうモノを
〝愛情〟と呼んでいいのだろうか?
作品No.240【2024/11/26 テーマ:微熱】
熱はないはず、と、思っているのだけれど、ここ最近熱を測ると三十七度台。今年の平均体温、三十七点〇一度。今年は四月からずっと、月の平均体温も三十七度台。ちなみに去年の平均は、三十六点八九度。
この差はいったいなんだ?
この熱と呼んでいいのかわからない熱はなんだ?